Web3に法制度が追いついていない。そのためブロックチェーン(分散型台帳)、DAO(分散型自律組織)、NFT(非代替性トークン)の活用に当たって戸惑う企業が少なくない。暗号資産(仮想通貨)やデジタル証券などWeb3関連の業界動向や規制当局の考え方に詳しいアンダーソン・毛利・友常法律事務所の長瀬威志弁護士に話を聞いた。

長瀬弁護士は金融庁や証券会社への出向経験があり、暗号資産(仮想通貨)やNFT(非代替性トークン)、DAO(分散型自律組織)に関する動向を業界側、規制する側の視点も踏まえてよくご存じです。足元ではどういった相談が多いですか。

長瀬威志氏(以下、長瀬氏):Web3関連では大企業やスタートアップからの依頼、省庁とのブレストや調査の下請けのような形で色々調べています。NFTの価格下落が懸念されていますが、バブルがはじけたから撤退するというより、デジタルデータを取引できるインフラとして既に定着しているので、今のうちに準備を進めるという企業が多い印象です。

長瀬威志(ながせ・たけし)
長瀬威志(ながせ・たけし)
2005年東京大学法学部卒。09年最高裁判所司法研修所修了、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に入所。21年に同事務所パートナーに就任。金融庁と証券会社への出向経験を生かし、規制当局の考え方を踏まえ、金融実務に即した助言をする。暗号資産やNFT、ブロックチェーン技術などの業界動向、金融規制に詳しい(写真:加藤康、以下同)

 「株式会社の未来形のような組織形態としてDAOが必須ではないか」との考え方が浸透して、DAOについて議論する機会が増えています。そもそも日本の法律に照らすと、株式会社や合同会社、組合、社団法人など色々な組織形態の、どれに当てはまるのか。逆に当てはまらないのであれば、DAOはどうすればつくれるのか、といった相談を受けています。

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この記事はシリーズ「Web3の正体 始まった「デジタル独立運動」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。