人類5000年の歴史を7時間で一気読み。そんなコンセプトで刊行された、出口治明さんの著書『一気読み世界史』を、本連載では、「逆さ」から「3分で読める長さ」で、ご紹介していきます。

 中国を大混乱に陥れた、毛沢東の大躍進政策。飢餓などから数千万人の死者を出したともいわれますが、その間に日本は経済発展を遂げました。そんな毛沢東の「暴走」のきっかけとなったのは、ソ連・フルシチョフとの会談だったといいます。なぜでしょうか。

 『一気読み世界史』は、「一気に読めるからこそ、大きな流れがわかり、教養になる」と考えてつくられた1冊(*)。世界を旅して、訪れた都市は1200以上、1万冊の本を読破した「現代の知の巨人」、出口さんならではの大局的な歴史観が、ぎゅっと凝縮されています。本を手に取ってアタマから一気に読み通すもよし、この連載で逆さから少しずつ味わうもよし。お好みのスタイルで、お楽しみください。

* 日経ビジネス電子版の連載「出口治明の『5000年史』講座」を再構成し、大幅な編集を加えました。

 1962年には、キューバ危機が起きました。キューバにソ連がミサイル基地を建設しているということで、米ソは核戦争の一歩手前までいきました。けれど、ケネディの要請を受けた形で、フルシチョフがキューバからの「攻撃的武器」の撤去を命じ、何とか収まりました。

 ケネディがアメリカの大統領に就任したのはその前年、1961年1月のことです。この年の4月、ソ連が人類初の有人宇宙飛行に成功し、ガガーリンは「地球は青かった」という言葉を残します。これに対抗して、ケネディは有人での月面着陸を目指すアポロ計画をスタートさせます。

 宇宙開発でアメリカにリードしたフルシチョフは意気軒昂でした。けれど、経済ではアメリカに追いつけません。東ヨーロッパの復興は進まず、ベルリンでは東ベルリンから西ベルリンにどんどん人が逃げ出します。そこで8月に「ベルリンの壁」を築きました。

 1960年は「アフリカの年」といわれていて、アフリカの国々がたくさん独立しました。

 当時は米ソ冷戦でしたが、2020年代の今日は米中冷戦といわれます。

出口治明(でぐち・はるあき)
出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長。1948年、三重県美杉村生まれ。1972年、京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などをへて2006年退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。 2008年、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更。10年社長、会長を務める。2018年1月より現職。訪問した都市は世界中で1200以上、読んだ本は1 万冊を超える。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史 』シリーズ(ちくま新書)、『0から学ぶ「日 本史」講義 』シリーズ(文藝春秋)、『全世界史 上・下 』(新潮文庫)、『戦争と外交の世界史』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。

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