人類5000年の歴史を7時間で一気読み。そんなコンセプトで刊行された、出口治明さんの著書『一気読み世界史』を、本連載では、「逆さ」から「3分で読める長さ」で、ご紹介していきます。

 今回は冷戦時代のソ連と中国の話から。アメリカ以上にソ連に対抗意識を抱いていた中国は、文化大革命で大混乱に陥ります。しかし、どんな混乱下にあっても、中国が絶対に手を緩めなかったあることとは?

 『一気読み世界史』は、「一気に読めるからこそ、大きな流れがわかり、教養になる」と考えてつくられた1冊(*)。世界を旅して、訪れた都市は1200以上、1万冊の本を読破した「現代の知の巨人」、出口さんならではの大局的な歴史観が、ぎゅっと凝縮されています。本を手に取ってアタマから一気に読み通すもよし、この連載で逆さから少しずつ味わうもよし。お好みのスタイルで、お楽しみください。

* 日経ビジネス電子版の連載「出口治明の『5000年史』講座」を再構成し、大幅な編集を加えました。

 ソ連でフルシチョフが失脚してブレジネフが実権を握りました。ブレジネフは1968年、チェコスロヴァキアの民主化運動「プラハの春」を潰します。

 保守的なブレジネフの下で、ソ連に停滞の時代が訪れます。フルシチョフ時代に技術開発でアメリカに3連勝(大陸間弾道ミサイル、人工衛星打ち上げのスプートニク・ショック、無人月面着陸)したソ連でしたが、1969年にはアメリカのアポロ11号が有人月面着陸に成功。宇宙開発で再び、アメリカに引き離されました。

 1968年は、日本のGDP が世界2位になった年でもあります。1945年の敗戦から23年で日本がここまで復興したのは、吉田茂が描いた「開国・富国」を軸にしたグランドデザインが正しかったということで、これについては次回以降に後述します。日本人は自信を取り戻しました。

出口治明(でぐち・はるあき)
出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長。1948年、三重県美杉村生まれ。1972年、京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などをへて2006年退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。 2008年、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更。10年社長、会長を務める。2018年1月より現職。訪問した都市は世界中で1200以上、読んだ本は1 万冊を超える。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史 』シリーズ(ちくま新書)、『0から学ぶ「日 本史」講義 』シリーズ(文藝春秋)、『全世界史 上・下 』(新潮文庫)、『戦争と外交の世界史』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。

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