(写真提供=日本貨物航空)
(写真提供=日本貨物航空)

国の審査にパス。湧き上がった歓喜のどよめき

 最初の難関である整備部門が国の審査をパスしたときには社内に歓喜のどよめきが起きた。そして、それが全社的な大きなうねりとなって、最後のパイロット運航審査まで一気に駆け抜けていった。計画通り、08年4月1日に自立後の1番機が飛んだときには万歳と歓声が鳴りやまず、全員が感動の中にあった。全日空への感謝の式典を開き、長年の尽力と最後の瞬間に至るまでの懇切な指導に対し、心から感謝の意を述べた。

2.組織固めと活性化
世界4極体制で現地化を進め、改革に挑む

 新体制下で物理的に機体を飛ばせるようになったことは大きな前進ではあるが、事業活動の第1歩を踏み出したにすぎない。

 次は赤字体質からの脱却が主要テーマである。まずそのための組織固めとして、千葉県成田市の本社を中心に、ニューヨーク、アムステルダム、香港の現地法人それぞれに現地採用のトップや人員を配し、世界4極体制を敷いた。各地への権限委譲と多国籍社員の活性化が目的だ。

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この記事はシリーズ「企業は甦る~社員の心に火をつける改革」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。