シュートを打てば打つほど運を呼び込める?(写真=共同通信)
シュートを打てば打つほど運を呼び込める?(写真=共同通信)

その後の人生を好転させ得る幸運=スマート・ラックを戦略的につかむにはどうすればよいのか? を、科学的根拠に基づいて考察する本連載。前編では、8つのスマート・ラック戦略の1から3までを紹介した。今回は4と5を紹介する。米ペンシルベニア大学ウォートン校のポール・シューメーカー教授は、リスクと運のポートフォリオマネジメントを習得すべきだと主張。どのようなリスクを取るか、また、その際、どの程度の損失を許容できるか常に意識していなければならないという。(前編はこちら

実践的アドバイス:大数の法則、平均回帰、ベイズ更新、順序統計学など、統計的な思考に精通しているだろうか? 計算式まで理解する必要はないが、統計の基本的なコンセプトは理解するようにしよう。

4.ポートフォリオ視点の採用
 60%の確率で1000ドルを獲得できる(40%の確率で1000ドルを失う)出目に偏りのあるコインについてもう一度考えてみてほしい。1回だけのトスを断ったとして、このコインを100回投げてほしいと言われたら「イエス」と言うだろうか? 

 イエスなら、最大で10万ドルを獲得または失う可能性があり、100回投げた後の最終的なもうけは統計的に2万ドルになると予想される。つまり、どのトスにもそれぞれ損失の可能性が40%あるが、100回トスした後には、損失の可能性は3%未満になる(11)。ビジネスや人生において正しい選択をするためには、ポートフォリオ視点で考え、何度も勝負を繰り返すことで勝率がどう変化するかを問うことが重要だ(12)。

 理想的には、あるリスクを考えるとき、その時点で直面している他の全てのリスク(金銭面のリスク、健康上のリスク、社会的リスク、風評リスクなど)に加え、将来遭遇する可能性のある全てのリスクを考慮する必要がある。

 これほどの広範囲を実際に試算することはほとんど不可能だが、「同じかごに入っている卵はほとんどない」(編集部注:「卵は1つのかごに盛るな」という分散投資の大切さを表す格言からのもじり)ことを認識するだけで、(個々のリスクにのみ注目してしまう)「孤立のわな」を避けながら、自分が取るリスク量を改善することができる。

「お得なリスク」を取り続けるには

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