パナソニックオートモーティブシステムズは2月、自動車メーカー向けに提案する車室デザインのデモカーを展示した。幼い子どものいる家族やシニア、Z世代といったターゲットを想定した上で、電機に強みを持つグループの技術を生かしさまざまな未来のクルマを描く。その中で、子どものいる家族向けのデザインのクルマに記者が乗り込み、体験した。
大型商業施設の「ららぽーと横浜」が徒歩圏にあり、ファミリー層も多く住む神奈川県のJR横浜線・鴨居駅。そこから10分ほど歩いた場所にあるのが、パナソニックグループの車載事業を担当するパナソニックオートモーティブシステムズの開発拠点だ。
取材のお目当ては、新しいコンセプトのクルマだ。パナソニックが提案する「新しいクルマ」とはどのようなものか。
展示されていたのは子どものいる家族をターゲットにした6人乗りのミニバン。窓から中をのぞくと、上部から青紫色のLED(発光ダイオード)ライトが車内を照らしている。

実はこれ、「除菌中」のサインなのだ。クルマの中に人がいないことを自動で感知し、天井から次亜塩素酸を配合した除菌用のミストを噴霧している。

このノズルは、パナソニックが2019年に発表した「シルキーファインミスト」向けのものだ。超微細型のため噴霧してもすぐにミストが気化し、直後にクルマに乗ってもぬれている感覚を与えない。
従来は屋外用のミスト式冷却機に使われていたもの。極微細ミストが蒸発することで、気化冷却によって効果的に体を冷やせるのがウリだ。東京・新橋駅前のSL広場などに導入実績がある。「屋外エアコン」の車内への活用はグループシナジーといえる。
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