今回は私たち一般社団法人「ベンチャー型事業承継」が実施した若手のアトツギを対象にしたアンケートの結果を紹介します。事業承継に関する調査は事業を渡す側である現経営者に焦点を当てたものが多く、事業を引き継ぐ側であるアトツギに関する情報は限定的です。この調査はアトツギ、中でも30代以下の若い跡継ぎを対象にしており、その分承継準備のステージにいるアトツギの思いや課題がよく分かる非常に興味深い結果となりました。
調査は私たちが主宰するオンラインコミュニティー「アトツギファースト」のメンバーを対象に実施。同コミュニティーのメンバーは入会時に39歳以下のアトツギであることが参加条件となっています。回答者数は119人で、約8割が30代、2割が20代。大半の調査対象は事業承継を決めたアトツギであり、事業規模は約9割が100人以下となっています。調査は2021年に実施しました。
まず、「事業承継をするかどうかについて検討する上で重要だったポイント」(複数回答)について尋ねたところ、最も多いのが「事業の将来性」が47.9%、次いで多いのが「家業以外のキャリアの選択肢との比較」の43.7%という結果となりました。
経営環境が大きく変化する時代において、特に業歴が長い会社のアトツギの多くは「親のやり方のままでは20年後どころか10年後も危うい」と考えています。また、若い世代は意識や能力が高く、大企業・ベンチャー企業で会社員として活躍するチャンスもたくさんあります。その分、中小企業の後継者の道を選ぶのは一大決心。事業承継をするかどうかについて検討する上で、家業の先行きや他のキャリアとの比較をポイントにするアトツギが目立ちます。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り2037文字 / 全文2762文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「シン・アトツギ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?