回転すし店「すし銚子丸」を運営する銚子丸。長年、採用や人材の定着に課題を抱えてきたことを踏まえ、石田満社長のもと、人材を重視する会社への変革に着手した。改革が大きく進むきっかけとなったのは、2017年に起きたある出来事だった。

【今こそ「孤独解消」 孤立する社員を救う処方箋】記事ラインアップ
※内容は予告なく変更する場合があります
(1)リモートワークは理想的な働き方か 増幅する孤独
(2)すれ違う上司と部下 なぜ組織の中に孤独が生まれたか
(3)「国民8割に孤独感 みんな孤独予備軍」 小倉担当相の危機意識
(4)人付き合いある? 孤立してない? 「あなたの孤独度」を診断
(5)SOMPO、SCSK、NTTコム…社員の幸福度向上、経営の中心に
(6)昭和の社内行事・運動会が再評価 若手ベンチャーで結束感爆上がり
(7)「脳トレ」川島隆太氏が警鐘、リモート社会の行き着くディストピア
(8)産業医が見る「孤立・孤独」時代の上司のあり方 江口尚氏
(9)労基署立ち入りから人材重視へ転換 すし銚子丸の「社員の幸福度」(今回)
(10)日本の孤独をなくすには「あなたのいばしょ」理事長大空幸星氏
(11)楽天、アステリアのウェルビーイング 「CWO」を置く理由
(12)「脱PDCAで幸福度をもう一度上げよう」慶応大学・前野隆司教授
(13)テクノロジーで幸福度を上げる ハピネスプラネット矢野社長
(動画)10月10日号特集「孤独が会社を蝕む」を担当編集委員が解説

 「何とか会社を変えていかないといけないよね」。今から約6年前のこと、1都3県で回転すし店「すし銚子丸」を手掛ける銚子丸の石田満社長は、堀地元常務と気を引き締め直していた。カリスマ的存在だった創業者、堀地速男氏が亡くなり、石田氏と堀地常務が二人三脚で「新生銚子丸」という題目を掲げていくつかの変革に取り組むことを決めたのだった。

 その一つが、働き方改革。目指したのは採用の強化と人材の定着だ。新卒の定期採用をおこなっていたものの応募数が少なく、1桁台も目前に迫っていた。「会社の実力のバロメーター」(石田氏)だという新卒採用に注力する必要性が高まっていた。

 さらに、何人採用しても同じくらいの人数が辞めてしまうといった悪循環も生まれており、人事担当も入社と退社の手続きに追われる日々。優秀な人材を雇い、定着率も高めることが欠かせないと判断した。

 「残業時間が多すぎませんか」。本格的に働き方改革に着手して間もない17年11月、千葉労働基準監督署から銚子丸に連絡が入った。

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