表面的なやり取りばかり

 リモートワーク鬱の原因は何だったのか。常見氏は、いつでも仕事ができるようになったことで長時間労働や深夜労働を招いたこと、外出をしないことによる運動不足に加えて、孤独感を挙げる。

 リモートワークが定着したことで、毎日の生活から失われた、あるいは大きく減った通勤や同僚と肩を並べて働く体験に大きな意味があったのではないか。これが常見氏の指摘するところだ。

 通勤は気分転換や運動不足解消はもちろん、街の空気に触れることで社会の一員であることを確認する機会にもなっていた。職場でのたわいもない同僚とのやり取りが、イノベーションの源泉であり、組織の一体感を生んでいた。改めて指摘されるとうなずける部分がある。

 仕事のやり取りが対面からオンラインへと移ったことで、口頭ではなく、メールやチャットなどテキストでのやり取りが増え、雑談や内緒話は成立しづらくなった。偶発的なコミュニケーションが発生しないことに加えて、テキストが証拠として残ることに対する心理的なハードルもあるだろう。

 常見氏は嘆息する。「街の様子を肌で感じることがなくなり、仕事では極めて表面的なやり取りばかり。ものすごく空虚。そりゃ、心身共にまいりますよ」──。

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この記事はシリーズ「今こそ「孤独解消」 孤立する社員を救う処方箋」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。