2019年までの16年間で観光客数を約3倍、観光収入を4倍ほどにまで高め、観光の「数」と「質」の向上を同時に実現させたシンガポール。その間、現地では急速にブランド力を備えていったホテルも続々誕生している。富裕層向けの高級ホテルの整備が遅れているともされる日本。小さな島国の取り組みに学べる点は少なくない。

2018年の米朝首脳会談の舞台となったことでも知られる「カペラシンガポール」。ラグジュアリーな宿泊体験と現地文化に浸れる体験のコーディネートが強みだ
2018年の米朝首脳会談の舞台となったことでも知られる「カペラシンガポール」。ラグジュアリーな宿泊体験と現地文化に浸れる体験のコーディネートが強みだ

 シンガポールの高級ホテルと言えば、100年以上の歴史を誇るラッフルズホテルや、2500以上の客室を持つマリーナベイ・サンズ(MBS)などが有名だ。レジャー施設が多く立ち並ぶセントーサ島には、それらに比肩するブランド力を持つ新興リゾートホテルがある。「カペラシンガポール」だ。

 1880年代の伝統的なコロニアル建築と現代建築が融合した館内は、広さ77m2以上の客室が約110室設けてある。カペラホテルグループのクリスティアーノ・リナルディ社長は、「宿泊客にはゆったりとした時間を館内で過ごしながら現地文化にどっぷりつかれる体験をキュレーションしている」と説明する。

徹底的なローカル化

 カペラが開業した2009年ごろは、同国がホテルの開業ラッシュに沸いた時期だ。客室数は約10年で約1.5倍に急増。欧米の高級ホテルブランドも続々進出したが、リナルディ氏は「伝統的な(高級ホテルの)サービスとは一線を画してきた」と話す。

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この記事はシリーズ「観光“再”立国:「数」から「質」へ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。