中国は軍事力に依拠して南シナ海の島しょへの支配を拡大してきたが、島しょの多くは依然として他国の支配下にある。とりわけ一定の陸地面積があり、軍の拠点を築きやすい比較的大きな自然の島のほとんどには、すでに他国の軍隊が駐留している。今後、すべての島しょの支配確立を目指す中国にとって、南シナ海における軍事作戦能力を強化することが不可欠である。

 なぜなら、他国軍が駐留している島しょを奪うことは、無人の島しょを奪うことと比較してはるかに困難だからだ。軍事力を行使するにせよ、軍事力による威嚇を用いるにせよ、目的を達成するためには他国を圧倒する軍事的プレゼンスを確立することが必要となる。

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