でも、私がそのサークルのその他の方の女子だったら、同じこと感じていたかも。田中さんがいたら、嫌ですよ~。
澤本:田中さんが近くにいてそういう距離感だったら、男の子はみんなころっと行っちゃいそうに見えるじゃないですか。

自分の彼氏とかも、ころっと行っちゃいそうですよ。
田中:……。女の人って面倒くさいなと身に沁(し)みた後で、私は女子アナの世界に入っていくわけなのですが。
さらに怖い世界でした?
女子アナ業界は実力勝負過ぎてカラッとしている
田中:そうかと思いきや、そんなことはなかったんですよ。女子アナの世界は、外から見ていたイメージよりもかなり個人主義で、まったくドロドロしていないんです。個人的に思うことはそれぞれあるとは思いますが、集団で誰それをどうこうしようとかは、まるでない。そんな時間も体力も興味もない、という感じでカラッとしていましたよ。
プロがしのぎを削る世界ですものね。
田中:プロ意識の塊みたいな人たちの集まりだから、かえって心地よかったです。
澤本:小学校のときに勉強が出来過ぎて、周囲から浮いていた子が、進学校に行ったら楽になった、みたいなことと通じますよね。
前回、澤本さんは「不安」「恐怖心」がご自身のデフォルトの感情だとおっしゃっていました。田中さんも『田中みな実1st写真集Sincerely yours...』が大ブレークしたとき、同じく「不安」を口にしておられましたね。
田中:あまりに話題にしていただいたので、実感がなくて不安になりましたが、写真集が出る前もまた不安で。「売れなかったらどうしよう」「損が出たら私が費用を負担できるだろうか」って、あれこれ思い悩んでいました。一流のスタッフを揃えていただいて売れなければ、もろ私にタレント力がないという表れになりますので。
澤本さんがおっしゃる不安も、同じようなところですか。一流のクライアント、一流のスタッフと一緒にやって、それが話題にならなかったらどうしよう、みたいな。
澤本:そこは違いますね。CM制作はクライアントに企画して提案を重ねる中で、最適解というものをお互いに認識し合う過程があります。その中で、次はどのように改善していけばいいか、といった前向きな話し合いができる。その点で、ご自身がメディアの中身そのものになっている田中さんと、その中身をつくる立場の僕という違いがあり、僕の方がやや余裕があるのかもしれないです。
田中:なるほど。
澤本:今、自分の言っていることが、自分でも分かっていないですけどね。
田中:いや、分かりますよ。だとしたら澤本さんのおっしゃる「不安」とは何ですかね。
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