澤本:いや、ただ目立つためというより、上手なフリースペースの使い方をしていて、そこでちょっと人と違った感受性とか、前向きな感じとか、見る方が視覚的にいろいろな情報を感じて受け取るものだったんですよ。
田中さんは青山学院大学在学中に、「青山ミスコン」(ミスミスター青山コンテスト)の準ミスに選ばれて、アナウンサーの学校にも通われていたとのことで、テレビ局に受かったのは、ご自分の中で、既定路線的な感じだったんですか。
田中:いえいえ、とんでもないことです。私は目標が定まれば、そこへ向かってまっしぐらに突き進むタイプで、かなわなかったときにはボー然と立ち尽くしてしまう。実は就活はフジテレビが最初で、最終の役員面接まで行って、落ちてしまったんです。
それは、かなり嫌なパターンですね。
最終で落ちて燃え尽きかけました
田中:そうなんです。序盤で落ちるよりも、最終まで行って落ちる方が、ダメージが大きい。役員面接まで行ったら、内定をいただけると期待しちゃうじゃないですか。しかも役員のみなさんが笑顔で、感触も悪くなかったし。
それが、連絡が来るはずの時間になってもいっこうに電話が鳴らないから、嘘だと思って。電波がおかしいんじゃないかと、玄関で右往左往。で、落ちたことを認めざるを得なくなったときには、すごく泣きました。その翌週からTBSやテレビ朝日の試験がほぼ同時に始まったのですが、もうやめようと、投げ出しそうになりました。
いったん燃え尽きてしまいますよね。
田中:両親にも「もう受けるのをやめる」とかなんとか弱音を吐いていましたが、落ちたことをきっかけに、「もう、どうにでもなれ!」と、捨て身になれたんです。取り繕うことなく、等身大に戻って、ある意味、開き直っていましたね。最初の局では、自分を精いっぱい大きく見せようとしていましたが、落ちたことで力みが消えたのがよかったのかもしれません。しかも、第1志望はTBSでしたので。
澤本:田中さんは、ぱっと見、フジテレビっぽいというふうにちょっと思うじゃないですか。はきはきしていて、きれいで。でも、実はTBSっぽいですよね。
田中:うん、それぞれ局のカラーがありますよね。
いや、よく分からないですけど。
澤本:僕だって、各局のアナウンサー全員を知っているわけじゃないですけど、TBSの方ってちょっと、ある種、すごく明るくないというか。
田中:分かります(笑)。今の澤本さんの言葉は、文字にすると誤解がありそうだから、「底抜けに明るいわけではない」という感じですか。
澤本:田中さんは英語もすごく上手なんですが、日本語も上手なんです。
田中:やめてください(笑)。
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