コミュニケーションを増やすには、現状の把握から

 前回、ポイント(4)で解説したように、人は無意識のうちに「話しやすい人」には話しかける回数が多くなり、「話しにくい人」には話しかける回数が少なくなる傾向があります。そこで、コミュニケーションが不足している人に、1日1回の「話しかけのルール」を作ることをおすすめしました。「話しかけ」を実践するときには、実際に誰に何回話しかけたかを、確認してみるといいでしょう。アナログな方法ですが、1週間程度、部下やメンバーと話したときに「正」の字を書いて回数をチェックしていくのです。

 すると、1日に何回も話しかけている人もいれば、1週間で数回しか話しかけていない人もいることに気づくはずです。コミュニケーションの回数の現状を客観的に把握したうえで、まずは極端に少ない人を対象に、「話しかけのルール」を作って実行してみてください。最近はリモートワークも増えているので、「午後3時には電話をして、進捗や困っていることはないか確認する」という具合に、意図的に話す回数を決めていきます。

 初めは「1日1回、あいさつをする」でも構いません。それが習慣にできてきたら、回数を少しずつ増やしていったり、話す時間を長くしていったりするといいでしょう。

 前回に引き続き今回は、部下やメンバーと親近感のある心地良い関係を築くための行動のポイントをお話ししました。ぜひ、できるコツから実践してみてください。

(構成:田村知子)

⽇経ビジネス課⻑塾オンデマンドより

本連載の著者である冨山真由氏は、課長塾および課長塾オンデマンドの講師として活躍中です。課長塾オンデマンドでは、次世代リーダーが身に付けるべきスキルとして「めんどくさがる相手を動かす技術」を解説しています。

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