日本の大手自動車メーカーとして初の「脱ガソリン宣言」、宇宙ビジネスへの挑戦、そして電気自動車(EV)でのソニーグループとの提携――。2021年4月の就任以来、ホンダの三部敏宏社長は矢継ぎ早に大胆な改革を打ち出してきた。今をホンダにとっての「第2の創業期」と呼んで社員を鼓舞する背景には「ここで変わらなければホンダはなくなる」というほどの危機感がある。ホンダが進む道を三部氏に語ってもらった。
■連載ラインアップ
(1)ホンダの決断 ソニーとEV連合、激動の時代へ変革急ぐ
(2)ホンダ三部社長、ソニーとのEV新会社「テスラと十分に戦える」
(3)孤高では生き抜けないEV大競争 ホンダが選んだ「現実主義」
(4)もがくホンダ技術陣、EV開発でぶつかった「思い込み」「経験」の壁
(5)電動二輪車でも反撃へ 王者ホンダ、牙城死守へ新たな「生態系」
(6)「F1より難しい」 ホンダが「空飛ぶクルマ」で目指す真の革新者
(7)ホンダ、盟友GMがつないだLGとの縁 北米でEV電池を合弁生産
(8)稼げなくなったホンダの四輪車 拡大戦略のツケを払った八郷改革
(9)宗一郎がホンダに残した道しるべ 車ではなく、未来をつくる

電気自動車(EV)事業で、ソニーグループとの提携を決めました。改めて、この提携に至る経緯や狙いを教えてください。
三部敏宏ホンダ社長(以下、三部氏):ガソリン車からEVに変わると、ただエンジンを降ろしてバッテリーとモーターを積み込むだけではなく、車の価値そのものが変わっていくと思います。数年前からそう考えて、ホンダの中でも色々やってきたのですが、なかなか自動車会社の域を出ない、想定を超える面白い話があまり出てこないな、と思うところがありました。
そのころ、世の中では異業種の組み合わせで新しい価値を生むという話が一般的になっていました。そこで、自動車会社じゃないところと組むことによって、殻が破れるかもねという話が出てきたわけです。
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