2040年に目指す「脱ガソリン」、宇宙やロボットといった新領域開発――。この1年間、ホンダはまるで自らを鼓舞するかのように新たな挑戦を宣言し続けてきた。他社と手を結ぶことも躊躇(ちゅうちょ)せず、創業以来のDNAとも呼べる自主独立の呪縛から自らを解き放った。何がホンダを変身へと突き動かしているのか。いったい未来に何を見据えているのか。最前線の取材とキーパーソンの証言から激動の時代に備えるホンダの決断と行く先に迫る。(写真:ロイター/アフロ)
シリーズ
ホンダの決断

全9回
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#1
[新連載]ホンダの決断 ソニーとEV連合、激動の時代へ変革急ぐ
ソニーグループと提携し、電気自動車(EV)を開発・販売する新会社を共同出資で立ち上げるホンダ。「EV新会社はホンダ自身のライバルになっても構わない」――。ホンダの三部敏宏社長は言い切る。異例のタッグで目指すのは、ホンダや…
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#2
ホンダ三部社長、ソニーとのEV新会社「テスラと十分に戦える」
日本の大手自動車メーカーとして初の「脱ガソリン宣言」、宇宙ビジネスへの挑戦、そして電気自動車(EV)でのソニーグループとの提携――。2021年4月の就任以来、ホンダの三部敏宏社長は矢継ぎ早に大胆な改革を打ち出してきた。ホ…
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#3
孤高では生き抜けないEV大競争 ホンダが選んだ「現実主義」
これから電気自動車(EV)競争に本格参戦するホンダ。年間の世界販売が407万台(2022年3月期)と世界の自動車メーカーの中で中規模の同社は「1000万台クラブ」のトヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)と同じ土俵に上…
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#4
もがくホンダ技術陣、EV開発でぶつかった「思い込み」「経験」の壁
2040年に新車をすべて電気自動車(EV)または燃料電池車(FCV)にすると宣言したホンダ。車の開発現場では、これからのホンダの成長を担うEVの開発に技術陣が悪戦苦闘している。“売れるEV”とはどんなものなのか。その答え…
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#5
電動二輪車でも反撃へ 王者ホンダ、牙城死守へ新たな「生態系」
ホンダが世界のトップをひた走る二輪車市場にも電動化のうねりが押し寄せている。この転換期にホンダの牙城を切り崩そうと、インドなどで新旧ライバルたちが電動化を急いでいる。二輪車の世界で主戦場といえる新興国でも電動車が離陸しつ…
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#6
「F1より難しい」 ホンダが「空飛ぶクルマ」で目指す真の革新者
ホンダが開発を進める電動垂直離着陸機(eVTOL、イーブイトール)。この次世代の乗り物「空飛ぶクルマ」の開発に多彩なバックグラウンドを持つ人材が結集している。ただ「ビジネスを生み出す」という難所に挑むのはこれから。人型二…
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#7
ホンダ、盟友GMがつないだLGとの縁 北米でEV電池を合弁生産
ホンダは韓国LG化学の子会社である車載電池大手、LGエナジーソリューション(LGES)と合弁会社を設立し、北米に電気自動車(EV)向けの電池工場を新設すると発表した。これまで電池への投資を最低限にとどめつつ、世界各地のE…
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#8
稼げなくなったホンダの四輪車 拡大戦略のツケを払った八郷改革
世界的な電気自動車(EV)シフトの流れに乗りつつ、「空飛ぶクルマ」や小型ロケットなどにも挑むホンダ。未来の成長に向けた大胆な挑戦を推し進めるには、戦略的な研究開発(R&D)や投資の元手を現在の事業で確保する必要がある。だ…
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#9
宗一郎がホンダに残した道しるべ 車ではなく、未来をつくる
戦後、浜松の小さな町工場を飛躍させた原動力は創業者・本田宗一郎のビジョンだった。それに魅了された従業員、顧客、株主らが会社を支え、「世界のホンダ」へと成長させた。イノベーション企業として再び輝けるか、正念場に立つホンダに…
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全8回