「ゼロコロナ政策」が続く中でも中国で販売好調なEV(電気自動車)。ここにきてホンダやトヨタ自動車といった日本企業も中国でEVを発表し、巻き返しに動き始めた。だが、米テスラは値下げに踏み切り、中国スマートフォン大手である小米(シャオミ)も参入をうかがう。世界最大のEV市場での競争は激しさを増すことになる。
中国でのEV人気が止まらない。中国汽車工業協会が11月10日に発表した10月におけるEVを中心とする新エネルギー車の販売台数は前年同月比81.7%増の71万4000台となり、3カ月連続で過去最高を更新した。
EVのみの販売台数は66.6%増の54万1000台と、新エネルギー車の8割弱を占める。新型コロナウイルスの感染拡大でガソリン車を含めた新車販売台数が6.9%増の250万5000台と伸び悩む中、政府の補助金政策もあり好調を維持した格好だ。
市場をけん引するのは中国比亜迪(BYD)と米テスラだ。10月の両社のEV販売台数は、BYDが約10万3000台(新エネルギー車では約21万8000台)で首位、テスラが約7万2000台で続く。中国乗用車協会のデータでは、10月の新エネルギー車の販売台数のトップ10に中国企業が並び、日本企業の姿はない。「高級志向ならテスラ、リーズナブルならBYDを選択する」(上海市在住の40代男性)といい、「2強」による市場でのすみ分けが進みつつある。
日本勢も中国EV市場に続々

世界一のEV市場となった中国で、これまで存在感を発揮できなかった日本勢だがここに来て巻き返しに動き始めた。ホンダは11月5日、EV専用ブランド「e:N(イーエヌ)」シリーズの新たなコンセプトモデルを発表した。10日まで上海市で開催された中国国際輸入博覧会で披露した。
第1弾となるSUV(多目的スポーツ車)2車種は今春、中国市場に投入しており、今回は第2弾のコンセプトモデルとなる。仕様は明らかにされていないが、「シャープで力強いボディーラインに加え金属感を際立たせる表面処理を施し、既存のどのカテゴリーにも属さない新たなスタイルを目指した」(同社)とする。
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