新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年初頭以降、習近平政権はウイルスの完全封じ込めを狙う「ゼロコロナ政策」を堅持してきた。

新型コロナウイルスの完全封じ込めを狙う「ゼロコロナ政策」では、定期的なPCR検査が求められた(写真=AP/アフロ)
新型コロナウイルスの完全封じ込めを狙う「ゼロコロナ政策」では、定期的なPCR検査が求められた(写真=AP/アフロ)

 だが、22年12月、その方針を突如180度転換。定期的なPCR検査は必要なくなり、ウィズコロナへとかじを切った。感染爆発で病院は患者であふれ返っているが、国営メディアはコロナの弱毒化をアピールする。

 日本や欧米諸国では考えられないダイナミックな政策転換。これこそが中国という一党独裁の強権主義のすさまじさだ。ビジネスの世界でも同様で、「鶴の一声」で壊滅的な影響を受けることもある。

 例えば学習塾産業。中国当局は21年7月、語学や数学などの学習塾について、新規の開業許可を凍結し既存の塾には「非営利団体」への転換を義務付けた。アリババ集団や騰訊控股(テンセント)などIT産業への締め付けも記憶に新しい。

 技術漏洩の恐れも残る。実際、複合機分野では中国での開発・製造に加えて、中国企業との合弁まで迫っている。だが、中国と日本は地理的にも経済的にも一衣帯水の関係だ。過度に恐れるあまり巨大な隣国との関係を切り捨てることは、多くの企業にとって合理的判断とは言えない。

漏洩前提に製法を随時変更

 ならば、いかにして「チャイナリスク」を抑えながら、中国と付き合っていくべきか。先駆者たちが進めてきた3つの対応が参考になるだろう。

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