寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の中国メーカー2社が存在感を見せる車載電池市場。一方で中国では部材や装置、資源など上流まで遡るサプライチェーンづくりも進む。電池主要4部材では中国企業が世界シェアの7~8割を握る。

■この連載ここまで
(1)中国EVの実力、特許分析で鮮明 電池制御や交換など軸にコロナ禍でも出願倍増
(2)窮地のファーウェイ、車載で反攻 中国EVの躍進支える産学官連携
(3)「驚きの投資増」米規制で打撃の中国が見つけたパワー半導体という活路
(4)「禁じ手」も辞さぬ中国の執念 山東省に複合機の一大集積地が出現
(5)ついに中国勢が工作機械で日本に「逆上陸」、超精密加工を武器に
(6)時価総額2.9兆円でフィリップス超え、急成長する中国の新興医療機器メーカー

車載電池では寧徳時代新能源科技(CATL)が世界シェア首位(写真:アフロ)
車載電池では寧徳時代新能源科技(CATL)が世界シェア首位(写真:アフロ)

 EVの原価の3割を占めるとされる蓄電池は、各国がしのぎを削る脱炭素競争の行方を左右する。車載電池では寧徳時代新能源科技(CATL)が17年にパナソニックを抜いて以来、世界シェア首位を続けている。同3位の比亜迪(BYD)と合わせるとシェアは5割に上る。

 車載電池で地位を固めた中国勢だが、部材や装置、資源など上流まで遡るサプライチェーンづくりも進む。「電池部材はコストが安い中国の現地メーカーが圧倒的に有利だ。CATLでは17年時点で製造装置の9割で現地メーカー製を採用していた」とCATL元幹部は話す。中国におけるEV向け電池の巨額投資や増産は、素材メーカーを育み、急拡大する需要に対応している。

 主に電極に使う正極材と負極材、電極を絶縁するセパレータ、リチウムイオンの伝導性を持つ電解液。これらリチウムイオン電池の主要4部材は、10年代半ばまでは化学産業の裾野が広い日本企業のお家芸だったが、現在は中国勢が市場を席巻する。

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この記事はシリーズ「佐伯真也が見る中国経済のリアル」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。