ウクライナ危機に四半世紀ぶりの円安水準、あらゆる原材料の価格高騰……。想像もつかない大きな変化に直面する今、どの企業も事業の変革を避けては通れない。そんなとき、多くの大企業から「変革を担う人材が社内にはいない」という声が上がる。果たしてそうなのだろうか。変化を起こそうとする「異端児」の芽を摘み取り、「出るくい社員」をたたきのめし、あえて凡人の集団にしてきたのではないか。パラダイムシフトに直面する今だからこそ、異端を生かし、育てる経営に踏み出そう。(写真:Shutterstock)
シリーズ
会社を変える異端児たち

完結
16回
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日揮の脱炭素ビジネス 「Yes, and」で導く門外漢リーダー
日揮ホールディングス(HD)といえば石油・ガスなどのプラントの設計・調達・建設(EPC)で世界を股に掛けるグローバル企業。だが、脱炭素の潮流を前にトランスフォーメーションを迫られている。変革の触媒となるのが、廃油由来のS…
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夏野剛氏「1割の異端が起こす変革、残り9割は邪魔をするな」
変革を生み出す人材をどのように処遇していくべきなのか。NTTドコモで「iモード」などの新サービスを生み出して中途入社組ながら最年少で執行役員に就き、現在はKADOKAWAの社長を務める夏野剛氏に、自らの経験も踏まえながら…
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樋口泰行氏が挑む変革「パナソニックの嫌だった社風を潰していく」
日本ヒューレット・パッカードやダイエー、日本マイクロソフトでトップを務めた樋口泰行氏。四半世紀ぶりにパナソニックに戻り、中核子会社のトップとして変革を進める。かつては嫌だった社風をどのように変革するのか。
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京都信金、「2000人対話」が育む“おせっかいバンカー”の神髄
京都信用金庫は取引先への融資だけでなく、あらゆる課題解決に貢献する「おせっかいバンカー」の育成を経営方針に掲げる。実現に向けて理事長の榊田隆之は「日本一コミュニケーションが豊かな会社になろう」とぶち上げた。
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川崎重工、帝人…上り詰めた傍流社長が体得した「異端の流儀」
歩むキャリアが回り道だと思うのは、出世というゴールを見据えているからでもある。そんな出世街道からはずれ、自らの興味の赴くまま収益機会を求めて脇道をひた走る。川崎重工業社長CEO(最高経営責任者)の橋本康彦や帝人の社長CE…
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ピーチ生みの親はANAトップへ 傍流での成長支えた「山ごもり」
出向や転籍など、回り道を余儀なくされた社員が結果を残し、本体に戻る。保守本流の王道を歩む者には味わえない経験を基に組織改革のタクトを振る。混迷の時代を切り開くはぐれ者トップ、その過去と未来を追う。
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始まりは飲み会 公務員5000人をつなぐ異色官僚が描く未来図
全国5000人以上の公務員が集まるプラットフォーム「オンライン市役所」。開設したのは総務省から神奈川県に出向して理事を務める脇雅昭だ。異色のキャリア官僚はなぜ、全国の公務員をつなぎたいと考えたのか。
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一度はボツも再提案で実現 ぶどう栽培に挑む三井不動産社員の執念
不動産会社がぶどう栽培――社内審査では落選して頓挫した新規事業提案が、2度目の提案で実現。諦めなかった異能社員の情熱を評価したのは、「社外の目」だった。
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地銀の「逆張り」デジタルバンク、生み出したふくおかFGの異端児
「お役所仕事」とやゆされることも少なくない、銀行などの金融機関。そんなお堅い業界の中でも、はぐれ者による変革の萌芽が見え始めている。上意下達の巨大組織で躍動する異端児はいかにして異能を育んでいったのか。組織は異能を尊重し…
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前例踏襲の上司に盾突き、事業費を20億円減らした地方公務員
異端児を使いこなせない「岩盤組織」は企業だけに限らない。柔軟性に欠ける印象が強い地方の自治体にも異能は存在する。いかにしてはぐれ者を活用しているのか。
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NTT東でトマトやレタスを栽培 “左遷”が鍛えた肌感覚
同期が次々と本社へ“栄転”する中、子会社への出向を命じられた。東京・東銀座の古びたビルに出社すると、事務所には数人の社員しかいない。“左遷”の2文字が頭をよぎった。
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あえてスローな乗り物で街を元気に、関電の異端エリートが見る風景
世間が抱く大手電力会社勤めのイメージにはおよそそぐわないが、嶋田悠介(38歳)はれっきとした関西電力の社員。20年からは自身がけん引してきたモビリティーサービスのベンチャーを率いる。
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「私を部長から降ろしてください」住友ゴム技術者、57歳からの挑戦
定年まであと3年。会社員としての大きな節目が目前に迫る中、住友ゴム工業の技術者が自らのノウハウを引き継ぐため門外漢のAI開発に取り組んだ。社内外の協力を得て異例のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めた背景には、…
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「空調機には興味ない」 ダイキンで電力会社を興した反骨の技術者
ダイキン工業といえば世界に名をとどろかせる空調機メーカー。だが、その事業ドメインを否定し、ダイキンに新たな価値を吹き込んだドン・キホーテがいる。「空調機には興味がない」と言ってのける技術者の正体とは。
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損保ジャパンが自動運転向け保険開発、支えた異端児の執念
業界に先駆けて自動運転向け保険を開発した損保ジャパン。だが、その背景には、仕事を「趣味」と否定されつつも勝手に継続した一人の男のひたむきな努力があった。
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[新連載]異端児に託す JR西、新事業の旗手はくすぶる若手集団
新型コロナウイルス禍でかつてない危機にさらされているJR西日本。データを業務改革に使うだけでなく、外販で稼ぐ新事業が動き出した。「異端児」の宮崎祐丞が率いる部署に、やる気のある若手社員が続々と集いつつある。
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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