欧州や中国と比べると、EVの一般ユーザーへの浸透度がそれほど高くない米国や日本。ただ、ガソリン価格の高騰により、EVのコストが相対的に下がりつつあることが消費者心理に影響を与えている。新興メーカーや新ジャンルのモデルの投入も刺激となっている。

■今後のラインアップ
1. 世界はなぜEVを選ぶのか 補助金・燃料高で「安い」?
2. 「日本車に候補なかった」 中国、テスラオーナーの本音
3. 米国、「テスラ効果」新興勢へ 日本、軽EVは市場を変えるか(今回)
4. 独SAPは社用車をEVシフト 脱炭素で企業が「まとめ買い」
5. フォードの決断 EV大量生産へ攻めの巨額投資
6. 電池再利用という金脈 ノースボルト、レッドウッドの狙い

「イーロン・マスク氏のこだわりを感じる」──。

 2021年夏、米テスラのSUV「モデルY」を社用車として導入したビジネスエンジニアリング(B-EN-G)米国法人社長の館岡浩志さんはこう話す。月670ドルのリース代は通常200~500ドルのガソリン車に比べ決して安くないが、いざ利用してみると想像以上の利点があることに気が付いた。

社用車としてテスラのモデルYを導入した館岡浩志さん(右)。社員のジョナサン・ブラントさんもEVならではの走りを楽しむ
社用車としてテスラのモデルYを導入した館岡浩志さん(右)。社員のジョナサン・ブラントさんもEVならではの走りを楽しむ

 一つがコスト面だ。同社は企業に業務・生産管理ソフトウエアなどを提供しているため、本社のあるシカゴから顧客の生産現場などに足を運ぶことが頻繁にある。社員と2人でメーカーの多いケンタッキー州レキシントンに行く場合、飛行機で移動して空港でレンタカーを借りると4時間半、約1000ドルはかかる。

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