首都圏に約3600万人の人口を擁する東京は、多くの上場企業が本社を構え、大消費地でもある巨大都市だ。森記念財団都市戦略研究所が発表している「世界の都市総合力ランキング」では、ロンドン、ニューヨークに次ぐ3位の評価を得ている。まんべんなく高い都市力を示す東京だが「圧倒的な強い分野」に欠ける。課題は「経済」や「文化・交流」などの強化だ。

■連載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)都心でも「人口流出」 迫るは市況悪化か、新市場の創出か
(2)映画ロケに都市計画、複雑都市「TOKYOモデル」が世界で売れる
(3)経済規模はオランダ以上、データで見る東京の強さ
(4)東京をユニコーンの“揺りかご”、起業の街への巻き返し
(5)東京に攻め込む海外ユニコーン、未開拓の巨大市場が魅力
(6)「人口減に合わせた街づくりを」、西川弘典東急不動産HD社長
(7)「それでも東京は買い」の真偽、ブラックストーン日本・橘田大輔代表
(8)市川宏雄・明治大学名誉教授が語る「リニア開通後の東京」
(9)「環境意識の変革が五輪のレガシー」、小宮山宏東京大学元総長
(10)「消滅可能性都市からのリベンジ」、高野之夫豊島区長
(11)「テレワーク定着もオフィス床は減らず」、トーセイ山口誠一郎社長

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

 都単独で約1400万人、神奈川・埼玉・千葉の3県を合わせた東京圏では約3600万人が暮らす東京。多くの上場企業が本社を構え、大消費地でもある巨大都市は、都が集計する「都民経済計算」によると、2019年度の都内総生産(名目)はドル換算で約1兆600億ドル。各国の国内総生産(名目)と比較すると、インドネシアに次ぎ、オランダを上回る経済規模となる。

世界の国民総生産ランキング(2019年)。経済規模ではオランダを上回る
世界の国民総生産ランキング(2019年)。経済規模ではオランダを上回る
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 では、国際競争力を「国」ではなく「都市」のレベルで見た場合の東京の立ち位置はどうなるだろうか。

 参考になるのが森ビル系のシンクタンク、森記念財団都市戦略研究所が08年から毎年発表している「世界の都市総合力ランキング」(GPCI)だ。世界の主要48都市のうち、東京は16年にパリを抜いて以来、3位を維持している。20年に東京五輪・パラリンピックの開催を決めたことが、高く評価された理由の一つという。

 同ランキングは、①経済②研究・開発③文化・交流④居住⑤環境⑥交通・アクセス──の6分野70指標のスコア合計点で決まる。東京の場合、ハイスコアが目立つのが「食事の魅力」や「飲食店の多さ」といったグルメに関する指標だ。

 「お・も・て・な・し」

 東京五輪の開催を呼び込んだ13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)の最終プレゼンテーションで、滝川クリステルさんが発したフレーズは「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞にも選ばれた。実はこのプレゼンで滝川さんは東京がグルメ都市であることにも触れていた。

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この記事はシリーズ「岐路に立つTOKYO ~進化か、衰退か~」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。