陸上風力発電の計画中止が国内で相次いでいる。日本は平野部が限られているため、山の上に建てるケースも多い。地盤がしっかりしていないと土砂崩れの恐れがあり、対策を練り直すことになる。まず四国のケースを見てみたい。
■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
・原発核ごみどこへ、調査開始で分断された北海道の町
・漁業お助けマン、38歳核ごみ反対派が力説するその理由
・陸上風力発電のジレンマ 自然エネ開発が自然の脅威となるのか(今回)
・新電力の相次ぐ値上げと経営破綻、電気代2倍に老舗遊園地の悲鳴
・エネルギーコストが全体の5割も 産業界を押しつぶす負担増
・この冬を乗り越えられるのか サハリン2「途絶」、2つのケース
・流通止まらぬ国富 日本はエネルギー弱者からの脱却を
「撤退していただいて、ありがたい」──。徳島県海陽町の三浦茂貴町長は、山地での風力発電所の建設計画がこのほど中止となったことに安堵の表情を浮かべた。

ミネラルウオーターよりも、水道水がきれいな町。このキャッチフレーズに象徴されるように、海陽町は知る人ぞ知る自然の宝庫だ。かつて研究者がこの町の水道水の水質を調べたところ、市販されているミネラルウオーターより飲み水として優れた特質を確認できたという。
今回の風力発電所建設の舞台となったのは、この水源である海部川の上流地域だ。環境省から「平成の名水百選」に認定されており、林野庁などが選定した「日本の滝百選」に含まれる「轟(とどろき)の滝」もある。

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