風の強い寿都町には風車が11基ある。町長が主導して全国の自治体で初めて町営の風力発電所を設置した。町のシンボルとなっている
風の強い寿都町には風車が11基ある。町長が主導して全国の自治体で初めて町営の風力発電所を設置した。町のシンボルとなっている

「交付金、汚い金なのか」

 そんななか、期待を寄せるのが周辺自治体と進める洋上風力事業だ。地層を調べ、交付金ももらえる文献調査は、洋上風力誘致への布石ではないかとの見方が広がった。

 片岡町長は「そこまで計算しているわけではない。もっと単純に考えている」と否定し、「国が定めたルールがあり、それに従って文献調査に応募した。なぜ文献調査の交付金ばかり『汚い金』と言われるのか」と戸惑う。

 町政を支えてくれた仲間とも疎遠になった。「俺の立場もある」と反対する知人に、「あなたの立場と寿都町の未来、どっちが大事なんだ」と声を荒らげたこともある。

 6年前、肺がんを患い、ステージ3と診断された。抗がん剤と放射線治療が奇跡的に効いた。「私は一度死んだ身。国と一緒になって汗をかき、エネルギー政策の最重要課題の1つ、核ごみ問題について考えたい」と語る。

 ところが町長の決断は、町民の分断を生むことになる。

(次回に続く)

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