生活用品から家電や業務用ロボットまで手がけるアイリスオーヤマ(仙台市)は、あえて採算を取るのが難しいコメ事業にも挑んでいる。数十億円規模の投資を続け、さらに生産ラインの増設を予定。その勝算を大山健太郎会長に聞く。

■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
税金投入で小麦価格維持の矛盾、「9割輸入依存」の痛恨
逆風の国産小麦を救え、敷島製パン盛田社長の奮闘
「安すぎるコメ、消える農家」大手卸の神明、藤尾社長の焦燥
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・昆虫食、普及のカギは見た目
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・ブランド化のEC産直、ギリギリの卸売市場
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もうすぐコメ事業に参入して10年を迎えます。なぜ家電で成功した後、利益を出すのが難しい分野にあえて挑戦したのですか。

大山健太郎会長(以下、大山氏):当社の前身だった大山ブロー工業所の頃も、農業用の産業資材や育苗箱を扱っていました。当時は木箱でしたが、アイリスオーヤマではプラスチック製にして拡販。実は50年以上も、農業には関わってきたのです。1970年代の石油ショックを契機に業態の多角化を図ってきましたが、農家の状況は把握し続けています。

 そして2011年の東日本大震災で、ここ東北は甚大な被害を受けました。地元の製造業として、復興への提言を出すだけではいけないと思い立ち、人が生きていくために欠かせない「食」に私たちのノウハウを生かそうと考えたのです。

大山健太郎(おおやま・けんたろう)氏
大山健太郎(おおやま・けんたろう)氏
1945年生まれ。父親が大阪で経営していたプラスチック加工の大山ブロー工業所(91年にアイリスオーヤマに社名変更)を19歳で引き継ぎ、宮城に拠点を移して大企業に育て上げた。生活用品から家電、食品まで事業領域を広げ、グループ売上高1兆円の大台が視野に入る。2018年から会長に就任。

 では、なぜ精米ビジネスに参入したのか。

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