前回から読む) なぜ今、経済安全保障の重要性が高まっているのか。その背景の1つにハイブリッド戦への変化がある。武力だけでなく経済的手段によっても、政策変更を迫られる。ただし、「経済」はもともと「安全保障」を支える4本柱の一角をなしていた――。政府において、経済安全保障の司令塔を務めた、北村滋・前国家安全保障局長に語ってもらった。

(聞き手、まとめは森 永輔)

北村 滋(きたむら・しげる)氏
北村 滋(きたむら・しげる)氏
1980年に東京大学法学部を卒業し、警察庁に入庁。警備局外事課長、内閣総理大臣秘書官(第1次安倍内閣)、兵庫県警察本部長、警備局外事情報部長を歴任。2011年から8年弱、内閣情報官としてインテリジェンスの中枢を担う。在任期間は歴代最長。19年に国家安全保障局長に就任し、「経済班」を発足させた。(写真:菊池くらげ)

 今なぜ経済安全保障なのか。理由の1つに、戦争がハイブリッド戦に変化してきたことがある。

 戦争は、武力を手段として、自らの国家意思を相手国に強制し、自国の戦略目標を実現するもの。しかし、武力でなく「経済的手段」を使って相手国に政策変更を迫ることもできる。

 それだけではない。サイバー攻撃という「技術的手段」や、謀略を行ったり、相手国の中の内通者を使ったりする「政治的手段」もある。

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