前回から読む)  新型コロナウイルス感染症や家畜感染症の流行、異常気象にウクライナ危機。世界で相次ぐ異常事態に日本の食卓が揺らいでいる。自給率37%と生活に不可欠な食料の大半を輸入に頼っている日本。足元では小麦価格が高騰するほか、豚肉や鶏肉のように特定の地域からの調達が困難となっているものも出てきている。世界人口はさらなる増大が予測されおり、食料需給の逼迫も懸念される。日本はどうすべきなのか。

 「これまで使っていたイタリア産の生ハムは全く仕入れることができない。スペイン産などでしのいでいる状況だ」。都内で洋風バルを営む男性はこう話し、視線を落とした。

 現在、国内では生ハムの大半を占めていたイタリア産が、新たに調達できない状況となっている。事の発端はイタリアにおけるアフリカ豚熱(ASF)感染症の発生。国内での感染は確認されていないが、アフリカの他、中国やロシアで猛威を振るった強い感染力と高い致死率が特徴だ。「我が国への侵入防止に万全を期す」ため、農水省は2022年1月8日、イタリアからの豚肉の輸入停止に乗り出した。

家畜感染症や新型コロナの流行などで、一部の食肉は調達困難になっている(写真=PIXTA)
家畜感染症や新型コロナの流行などで、一部の食肉は調達困難になっている(写真=PIXTA)

 これまで通りの輸入ができなくなる事態は豚肉以外にも広がっている。

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