(前回から読む)
ウクライナ危機でLNG(液化天然ガス)争奪戦が起きる中、かつての「LNG大国」日本の調達力に陰りが見えている。電力需要が増大する中国の動きが活発化する一方、需要低迷が不可避の日本は現実的な将来計画を描き切れていないからだ。ほぼ100%の資源を海外に依存する日本。このままでは資源の調達不安に陥りかねない。
5月下旬、4年ぶりに韓国の第3の都市、大邱で開催された世界ガス会議。国際会議場の入り口をくぐると、広大なフロアが目前に広がった。ここは、天然ガス、LNGを扱う世界のエネルギー企業のブースエリア。ガス供給者の英シェルや米エクソンモービルといった欧米メジャーなど世界を代表する数十の企業がブースを構え、通り行くビジネスパーソンに声を掛けていた。
世界ガス会議は、常連のロシア企業を閉め出した

だが、今回のガス会議は前回と様相が異なった。常連だったロシア最大手の国営ガス企業、ガスプロムがいない。会議の主催者が、ロシア企業の参加を認めなかったからだ。そして、中国のブースもパネル展示のみで閑散としている。西側諸国の企業を中心ににぎわうガス会議は現在の世界のエネルギー事情を表しているかのようだ。
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