「拠点集約」「デジタルトランスフォーメーション(DX)化」に続くものづくり改革編3回目は「供給網強化」。SMCと東京エレクトロンはサプライヤーと生産面で連携。国内供給網を再構築し、不確実性が高まる経営環境下で世界のライバルに立ち向かう。

■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
2ナノ半導体「日本でやるしかない」、ラピダス生んだ辛酸と落胆
ラピダスの東哲郎会長「日本は諦めすぎ、こんなものじゃない」
安川電機、ワールド、キヤノン、「国内回帰」の大義は経済安保
沸騰!九州シリコンアイランド、熊本のTSMC効果は4兆円
急ピッチ人材育成、大学も高専も「半導体講座」大盛況
拠点集約でシナジー効果、クボタ、日機装が開発力強化
仮想空間で営業活動、平田機工、SUBARUのDXは異例づくし
・同じ屋根の下にサプライヤー、SMC、東エレクが挑む生産改革(今回)
・ファナックに学ぶ国産哲学、「完全無人化」真の狙い
・「大事なのはTCO。国内一極集中生産を続ける」。ファナック山口社長
・「製造業はかつての『日の丸半導体』に学べ」

SMCは様々な空気圧機器を手掛ける。国内・海外で世界シェア首位を守るため、供給網再構築を急ぐ
SMCは様々な空気圧機器を手掛ける。国内・海外で世界シェア首位を守るため、供給網再構築を急ぐ

 空気圧機器で国内シェア63%、世界シェア39%で首位を走るSMC。もう一段、他社を引き離すために経営管理担当の丸山進取締役がたどり着いた答えは、「同業他社が追随できない、攻めの事業継続計画(BCP)を構築する」ことだった。

 「(地震などの)災害発生後、2週間以内に製品供給体制を90%まで回復させる」。顧客に対し、切れないサプライチェーン(供給網)を死守すると宣言している。「顧客企業もBCPを重視するようになった。いかに早く製品を出せるかが企業の生命線になる」。丸山氏は供給網強じん化へ全社を挙げて取り組んでいる。

20社が入る「合体工場」

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