シリーズ
「経済安保」国益を守る

この記事の著者
52回
-
「天然ガス投資は適切」 G7で日本がお墨付きを得た脱炭素の現実解
「化石燃料の段階的廃止」で合意した主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)。議長国、日本にとっては厳しい内容になったかに思われたが、大きな成果もあった。首脳声明にはロシア依存からの脱却を念頭に「ガス部門への投資は適切」との…
-
LNG市場で中国が台頭 見通せぬ原発が招く日本の購買力低下
世界の液化天然ガス(LNG)市場で中国の存在感が高まるなか、日本の購買力の低下が懸念されている。LNG需要に直結する原子力発電所の再稼働が見通せず、電力会社は調達量を売り手に明確に提示できない。中国の脅威を前に、日本はL…
-
「我が社の最先端工場はタイ、メキシコにある」でいいのか
ウクライナ危機を発端に目立ち始めた製造業の国内回帰の動き。ただ、野村総合研究所の藤野直明氏は「急激な円安が進んだから国内回帰で輸出を拡大する、という議論は少し乱暴だ」と指摘する。一方で、今が国内の製造業が競争力を取り戻す…
-
ファナック山口社長、「国内での開発・製造一体化が最も強い」
世界的に経済圏が分断されようとする中、国内回帰、中国から他地域への生産移転など、企業はサプライチェーン(供給網)を見直し始めた。国内集中生産を貫いてきたのが、コンピューター数値制御(CNC)装置で世界首位のファナック。揺…
-
進化するロボット不夜城 ファナックに学ぶ「ぶれない」国産哲学
日本回帰の流れを「メード・イン・ジャパン」復権へとつなげる条件は何か。国内で集中的に生産し高収益をたたき出すファナックの工場にその答えを見た。愚直に技術革新に臨む「超実践経営」は、ただの低コスト生産を超える力をもたらす。
-
同じ屋根の下にサプライヤー、SMC、東京エレクトロンの生産改革
「拠点集約」「デジタルトランスフォーメーション(DX)化」に続くものづくり改革編3回目は「供給網強化」。SMCと東京エレクトロンはサプライヤーと生産面で連携。国内供給網を再構築し、不確実性が高まる経営環境下で世界のライバ…
-
仮想空間で営業活動、平田機工、SUBARUのDXは異例づくし
「拠点集約」「デジタルトランスフォーメーション(DX)化」「供給網強化」の観点から、紹介するものづくり改革。2回目はDX化。多くの企業が取り組んでいるものの、現場の理解が進まず、導入が遅れているパターンも多い。SUBAR…
-
拠点集約でシナジー効果、クボタ、日機装が開発力強化
国内生産強化に当たり、既存の研究所や供給網、人材などを生かす戦略の練り直しは必須だ。今回は世界の研究拠点のハブとなる巨大研究所「グローバル技術研究所」を堺市に開設したクボタと、東京都東村山市に研究・技術開発拠点を集約した…
-
急ピッチ人材育成、大学も高専も「半導体講座」大盛況
半導体受託生産大手台湾積体電路製造(TSMC)の進出で特需に沸く熊本。こうした盛り上がりを一時的なブームにせず、持続可能なものにするには何が必要か。多くの専門家が指摘するのは、半導体産業で活躍する次世代人材を多く育てるこ…
-
沸騰!九州シリコンアイランド、熊本のTSMC効果は4兆円
国内製造業の復活の行方を占う「九州シリコンアイランド」が熱い。半導体受託生産大手TSMCの進出で特需に沸く熊本。人材も取り合いに。サプライチェーンを築き、人材を育てられるか。現地から2回にわたり、リポートする。
-
安川電機、ワールド、キヤノン、「国内回帰」の大義は経済安保
「日の丸半導体」の復権を図るべく設立されたラピダス(東京・千代田)に対して、トヨタ自動車など国内の名だたる企業が出資したように、日本企業の国内投資意欲が高まっている。ただ、これを急激な円安進行を追い風とする動きと捉えれば…
-
ラピダスの東哲郎会長「日本は諦めすぎ、こんなものじゃない」
東京エレクトロンの元社長である東哲郎氏は、2022年8月のラピダス(東京・千代田)設立に奔走した。回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートルの最先端半導体の量産を目指す。日本がかつて撤退したこの領域で捲土(けんど)重来…
-
[新連載]2ナノ半導体「日本でやるしかない」、ラピダス生んだ辛酸と落胆
混沌とする世界情勢を受けて経済安全保障の意識が急速に高まり、国内で工場新設や生産能力増強のニュースが相次いでいる。こうした国内製造回帰は、長らく空洞化に苦しんできたニッポン製造業の復権への序章だ。その象徴の1つが、国内で…
-
高市早苗経済安保相に聞く、日本の技術流出をどう防ぐか
日本の技術が他国へ流出しているのはこれまで見てきた通りだ。ウクライナ情勢の緊迫化など国家間の争いが意識され、経済安全保障への関心が高まる中、「だだ漏れニッポン」脱却に向けてどのように取り組むのか。高市早苗経済安全保障相に…
-
高度化する「盗み」の手口 知財を守り成長するための3カ条
日々進化、高度化する「盗み」の手口。知財を守りつつ、成長や企業価値向上といった攻めにもつなげていくには何が重要か。流出防止対策の実例とともに、心得ておきたい3カ条を見ていく。
-
サイバー攻撃、陰の主役は「国家」 企業は太刀打ちできるか
国家間の争いは、情報工作や経済制裁などを複合した「ハイブリッド戦」の様相を呈している。その新たな戦闘手段として浮上し、脅威を増しているのがサイバー攻撃だ。国家が主導し、経済的利益のために海外企業が被害に遭うケースも多い。
-
気づけば偽物が“本物”に 脅かされる日本の化粧品や農産物
高品質が売りのジャパンブランド。気がつけば海外へと流出してしまっているケースは少なくない。その一因として無視できないのが、「拠点」を取り巻くリスクだ。
-
海外勢が羨望 危機迫る「夢の再生医療」iPS細胞を守れるか
公安調査庁は技術の流出経路として主に7つを指摘している。中でも合弁会社の設立や業務提携などといった「協力関係」を通じて技術が流出するリスクは、分業化とグローバル化が進む経済環境の中で、中小企業を中心としたあらゆる企業につ…
-
次世代太陽電池、ノーベル賞級・日本人開発者も驚く中国の包囲網
技術流出はどのような経緯をたどるのか。公安調査庁は「人材リクルート」「投資・買収」「不正調達」など主に7つの流出経路を指摘している。日経ビジネスはリスクを「人材」「協力関係」「拠点」の3つに分類し、ポイントを探った。中で…
-
[新連載]「まさか中国に漏れるとは」 日鉄元技術者の後悔
ものづくりの先端技術から、改良を重ねた農産物の種苗まで、ハイクオリティーを売り物にしてきた日本の知的財産が闇に紛れて流出し続けている。厚待遇による人材引き抜きや、合弁企業を通じた技術移転など、手法は多様化、巧妙化。最近で…
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回