共働き世帯が増える中、男性の育児休業を後押しする国の制度が拡充されている。日本は大きな男女格差が生産性向上を阻んでいるとされ、企業にとっても育休を取得しやすい環境整備は社員の定着と新たな人材確保につながるメリットがある。2018年に「男性社員の1カ月以上の育休完全取得」を宣言した積水ハウスは、4年弱で1000人以上が取得した。

■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
(1)男性育休は怖くない、積水ハウスは4年弱で1000人以上取得(今回)
(2)中小企業でも男性育休推進の動き、サカタ製作所は取得率100%
(3)男性育休の普及阻む性別役割意識、「男の生きづらさ」の一因に
(4)男性学の伊藤公雄・京産大教授 「今はメンズ・クライシス」の時代

 「子育てなんて楽勝と思っていたが、実際は仕事より大変だった」――。積水ハウスの営業マン、西山雄大さん(39)は2018年11月に約10日間の育休を取った時のことを振り返る。同社は18年9月、男性社員の育休取得を推進するため、公的な育児休業制度とは別に同社独自の「特別育児休業制度」を開始。子供が3歳になる前日までに1カ月以上の育休取得を求め、このうち最初の1カ月間は有給とする内容だ。

 当時は第2子が2歳だった西山さんも制度の対象となったが、「そんなに休んだら仕事にならない。妻が専業主婦なのだから私が取る必要なんてないだろう」というのが正直な感想だったという。同社の賃貸住宅「シャーメゾン」の営業として平日は残業が続き、休日も顧客からの電話対応に追われる多忙な日々だった。トップ営業マンとして活躍する中、休むことへの罪悪感もあった。

積水ハウスの西山さんは、育休取得後に働き方や家族に対する考え方が変わった
積水ハウスの西山さんは、育休取得後に働き方や家族に対する考え方が変わった

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