詐欺、不正会計、検査不正──。企業や官公庁で不祥事が後を絶たない。経済を停滞させた新型コロナウイルス禍が悪意を持つ者の暴走に拍車を掛け、内部統制強化などの取り組みをあざ笑うかのように組織を揺さぶっている。次々とあぶり出される人間社会の闇。世界に誇ってきた「日本品質」も危ない。組織に潜む悪行をどう食い止めればいいのか。イカサマの連鎖を断ち切る処方箋を探る。(写真:Atstock Productions / Getty Images)
シリーズ
イカサマを絶つ

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#1
[新連載]イカサマを絶つ はびこる不正、若手官僚も墜ちた悪の道
詐欺、不正会計、検査不正──。企業や官公庁で不祥事が後を絶たない。経済を停滞させた新型コロナウイルス禍が悪意を持つ者の暴走に拍車を掛け、内部統制強化などの取り組みをあざ笑うかのように組織を揺さぶる。将来を嘱望された若者た…
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#2
川崎重工、SMBC日興… やまぬ不正、「組織ぐるみ」で企業に打撃
たとえ個人の悪事であっても所属先の企業や組織に大きなダメージを与える。監督責任や不正をチェックできなかった内部統制の不備が問われるためだ。ましてや、不正行為により多くの人間が関与し、「組織ぐるみ」「会社ぐるみ」と受け止め…
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#3
売り上げの4割「架空」も 成果重視の株主資本主義、企業に重圧
数多くの企業が不祥事にまみれ、中には株式市場から退出させられたり、経営危機に瀕(ひん)したりする企業もある。それでも不正はなくならない。特集「いかさまを断つ」3回目となる今回は、この20年、急速に広がった株主資本主義と成…
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#4
三菱電機をむしばんだ同調圧力 不祥事が暴く「日本品質」の危機
日本経済を支えてきた製造業の大きな強みは、品質の高さ。それを根底から揺るがす検査不正が今、相次いで発覚している。「業績第一」の風潮や日本経済が停滞する中でのライバル企業との競争激化で製造現場は疲弊。幹部も従業員も風通しの…
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#5
トヨタ車検不正、第一生命19億円詐欺… 再発防止期す企業に学ぶ
企業や組織が不正撲滅のために打てる先手は、不正に走る動機や機会を与えないことだ。かつて不祥事に揺れた企業も組織運営の仕組みを変え、再発防止を誓っている。本気で不正と決別したいなら、従業員にコンプライアンス(法令順守)の座…
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#6
AIが暴く不正会計、監査にDXの波 東芝問題で注目の電子鑑識とは?
外部の目として不正の発見を期待されている監査法人が、デジタル技術の導入を急いでいる。過去の不正会計の手口を学ばせたAI(人工知能)に財務データを分析してもらい、不正の芽をいち早く発見しようという試みだ。前回記事で紹介した…
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#7
不正が起こるのは経営の失敗、社員「性弱説」で対策を 識者が語る
企業や官公庁で後を絶たない不正。今回の特集「イカサマを絶つ」では、繰り返される不祥事の背景に迫り、再発防止への処方箋を探ってきた。特集を締めくくる最終回は、企業を舞台とする不正に詳しい2人の識者、危機管理システム研究学会…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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