(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)
(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)

 「この2週間で中古iPhoneに関する問い合わせが2倍以上になりました。以前から人気だった『iPhoneSE(第2世代)』は、ますます品薄になっています。バッテリーが良好で目立った傷などがなければこれまで2万円台で手に入る価格でしたが、7月以降は3万円を超えています」。こう話すのは、東京・池袋にある家電量販店の中古スマホ売り場の担当者だ。

 理由ははっきりしている。米アップルが7月1日からスマートフォン「iPhone」を含む製品について、日本で一斉に値上げしたからだ。今回の価格改定で、最新機種のiPhone13(128GB)の価格は税込みでは9万8800円から11万7800円と2万円近い値上がりで、率にして19%アップとなる。廉価版の機種、iPhoneSE(第3世代、64GB)の価格も5万7800円から6万2800円と5000円上昇、8%の値上げだ。アップルは値上げの理由を明らかにしていないが、今年3月以降米国の利上げを受けて日米金利差は拡大し、円安が急速に進んでいる。ドル建てで見た際の収益低下を回避するために、価格調整を実施したもようだ。

 値上げで割高感を持った消費者が中古市場に流れることで、中古スマホ市場の需給にも影響が出ている。iPhoneSEの品薄のみならず、そもそも中古品がまだあまり出回っていない新型機種の買い取り価格がここにきて大きく上昇している。インターネットでスマホ買い取りサイト「みんなのすまほ買取」を運営するニューズドテック(東京・千代田)によれば、2月初旬から7月初旬までの半年間で、iPhone13(256GB)、iPhone12(256GB)、iPhone11(256GB)の買い取り価格(Aランク)は、それぞれ15.4%、8.5%、7.8%増えた。

 調査会社のMMD研究所(東京・港)が2022年4月に実施した調査によると、中古スマホの所有率は11.6%と20年の約2倍となった。21年に利用する通信会社を限定した販売方法の廃止が中古品の流通増を促している側面はあるものの、やはり一番の要因は「スマホの高額化」だろう。

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