米メタ(旧フェイスブック)がピンチだ。7~9月期決算では2四半期連続の減収となり、純利益は前年同期比5割減。一発逆転を狙って大規模投資を続けるメタバース事業も光明が見いだせず、市場からは投資抑制の声が強まってきた。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は10年超とみられる投資期間を耐え抜き、メタバースを普及する“賭け”に勝てるのだろうか。

「実験的な投資額が多過ぎる。なぜ高額だと感じないのか? 多くの投資家が聞きたがっている」。米国時間10月26日、メタの2022年7~9月期決算発表で1人のアナリストが声を張り上げて質問した。
売上高は前年同期比4%減の277億1400万ドル(約4兆円)で2四半期連続の減収。純利益は前年同期比5割減の43億9500万ドル。メタバース事業は赤字が4割増えた。アナリストの追求に、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「景気が減速し、競争も激しい。大きなリターンを得られると信じ、時間をかけた投資をする」と弁明するしかなかった。
フェイスブックがメタに社名を変えて約1年。21年はメタバースに100億ドルを投資した。22年はその規模を超える見通しで、23年もメタバース関連の投資を加速する。市場はそんな経営姿勢に不安を覚え、株価は決算発表の直後に20%以上も落ち込んだ。
サービス全体の月間利用者は前年から4%増えており、23年にかけて低価格VR端末の後継機を開発するという前向きな説明もあったが、焼け石に水だった。
中核事業のSNS(交流サイト)の成長にも陰りが見える。広告が収益源となるフェイスブックやインスタグラムなどアプリ事業の売り上げは272億ドルで前年同期比4%減。デビッド・ウェイナー最高財務責任者(CFO)は「中小規模の広告主は回復が見られたが、大口広告主の収益が課題になっている」と説明した。
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