プロセス重視か、丸暗記重視か

 さらに、意味やプロセスを重視するか、丸暗記や結果を重視するかといった学習姿勢の違いもある。

 成績の良い子は、わかりたいという思いが強く、授業中の先生の話にしても、板書事項にしても、教科書に書いてあることにしても、ちゃんと理解したい、わかるようになりたいと思い、一生懸命に考える。わからないとスッキリしない。

 一方、成績の悪い子は、ちゃんと理解したいという思いはそこまで強くなく、大事な点やテストに出ることを丸暗記しようとする傾向が強い。覚えればよい、テストができればよいといった感じになりがちなため、理解が深まらない。

 宿題になったところがよく理解できていない箇所だったりすると、そのまま家に持ち帰っても宿題はできない。たとえば、問題を解いてくるようにという宿題が出たとして、解き方がよくわからないとき、よくできる友だちや先生に教えてもらう必要があるのだが、その姿勢に違いが出る。

 成績の良い子は、しっかり理解し、自分で解けるようになりたいといった姿勢で教えてもらうため、わからないところは納得がいくまで徹底的に確認して、何とかしてわかろうとする。そうした姿勢によって理解が深まる。

 それに対して、成績の悪い子は、宿題ができればいい、早く終わりにしたいといった姿勢で教えてもらうため、教えてもらった通りに書き写すだけで、頭でわかろうとする意識が弱い。そのため、宿題はその場で何とか片づくものの、実際にはその内容を理解できていないことが多い。

成績が良い子は、わからないところは納得がいくまで徹底的に確認しようとする(写真:Shutterstock)
成績が良い子は、わからないところは納得がいくまで徹底的に確認しようとする(写真:Shutterstock)
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学校の勉強の6つの枠組みで考える

 このように、成績の良い子はメタ認知を十分に働かせているのに対して、成績の悪い子はメタ認知をあまり働かせていない。

 それに加えて、概して成績の悪い子は、メタ認知的知識が乏しい。ここでは導入として、学校の勉強に関係するメタ認知的知識の枠組みをいくつか並べてみよう。

(1)どのような読み方をすれば理解が進むか
読み方に関するメタ認知的知識が欠けている場合、読み方が悪いために苦戦している自分の読み方を改善することができない。

(2)どのように覚えれば記憶が定着しやすいか
記憶の仕方に関するメタ認知的知識が欠けている場合、覚えようとしてもなかなか覚えられない。自分の覚え方を改善することができない。

(3)どのようにすれば頭の中の考えを整理することができるか
思考の整理の仕方に関するメタ認知的知識が欠けている場合、頭の中に渦巻く考えがごちゃごちゃに絡み合い、うまく整理することができない。

(4)どのような点に注意すればうっかりした誤答を防げるか
不注意なミスを防ぐためのメタ認知的知識が欠けている場合、ほんとうはわかっているのにうっかりしたミスをすることになりがちで、点数を無駄にしてしまう。

(5)どのようにすれば重要な概念の理解が深まるか
抽象的な概念の理解のコツに関するメタ認知的知識が欠けている場合、説明を聞いてわかったつもりになっても、テストに出題されると、じつはよくわかっていなかったということになりやすい。

(6)ながら学習をしても大丈夫なのか
ながら学習に関するメタ認知的知識が欠けている場合、平気でながら学習をしており、机に向かう時間が長い割には成果が出せていない。

 ここにあげたのは、学習方法に関するメタ認知的知識のごく一部である。適切なメタ認知的知識があれば、勉強はスムーズに進む。

 ところが、成績の悪い子は、このようなメタ認知的知識を知らないために、あるいは聞いたことがあっても勉強するときに意識していないために、効果的に学ぶことができない。

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