株価下落が問う経営陣の真価

 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界的に巣ごもり消費が増えた追い風を受け、シーは2021年まで急成長を続けてきた。時価総額も爆発的とも言える伸びを達成した。しかし、2022年に入って世界のハイテク株の下落が顕著になり、東南アジアのテック株の代表格であるシーの時価総額も3月には一時、500億ドル(約5兆7500億円)程度と、ピークの2021年10月の4分の1に落ち込んだ。

 かつて赤字が続いていた米アマゾンはテクノロジーや物流施設整備などに資金を投じ、未来の利益のための赤字という意味合いが大きかった。一方、シーのネット通販の赤字は、シェア拡大のための安売り戦略や広告宣伝費の重さが招いている面が大きい。

 シーの最終赤字額は2021年12月期に過去最大の20億ドル(約2300億円)にまで膨らみ、安定した収益を稼いできたゲーム事業も、2021年後半になって利用者の伸びの鈍化が見られるようになった。シーの経営陣は成長と収益性の両面に目配りしなければならなくなっている。

 米ブルームバーグ通信によると、株価の低下が続いた2022年3月、フォレスト・リーは従業員に次のようなメールを送った。「株価の下落で、あなたはシーの将来を心配しているかもしれません。しかし、恐れる必要はありません。これは長期の潜在的な成長を実現するために耐えなければならない一時的な痛みなのです」

 東南アジアを代表するスタートアップに成長し、投資家の期待と圧力が一段と強まる中で、リーの経営手腕の真価が問われている。

日経BOOKプラス 2022年6月13日付の記事を転載]

急成長企業が東南アジアで続々誕生!

東南アジアで有望なスタートアップが続々誕生している。特にグラブ、シー、GoTo(ゴジェックとトコペディアが統合)の3強は巨大で、世界中の大企業やファンドが出資や提携を求めて殺到。現地駐在経験が豊富な日経新聞記者が、大躍進の秘密を解き明かす。

中野貴司、鈴木淳著/日本経済新聞出版/990円(税込み)

この記事はシリーズ「グローバルTopics」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催 経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機

 日本企業にとって、脱炭素政策への対応が重要な経営課題になっています。上場企業であれば、グローバル投資家からの支持を得るために脱炭素に資するビジネスモデルの構築が求められています。サプライチェーン全体で仕組みを整える必要があり、企業規模の大小にかかわらず対応が急務です。
 日経ビジネスLIVEは9月8日(木)19:00~20:00に「経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機」と題してウェビナーを配信する予定です。登壇するのは、経済産業省でエネルギー政策を長く担当した経験を持つ、製造産業局長の山下隆一氏。業界横断的な取り組みが必須のGXに向け、どんなエコシステムを目指すべきかについて解説します。ウェビナー後半では視聴者の皆様からの質問にお答えします。ぜひ議論にご参加ください。

■開催日:2022年9月8日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機
■講師:山下隆一・経済産業省製造産業局長
■モデレーター:日経ビジネス編集委員・安藤毅
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。
>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。