ゴジェックとの合併、GoToの誕生

 2021年5月、ゴジェックとトコペディアは経営統合を発表した。ゴジェック(Gojek)とトコペディア(Tokopedia)から冒頭の2文字ずつをとった「GoTo(ゴートゥー)グループ」という持ち株会社の下に、事業会社としてのゴジェックとトコペディア、それに金融サービス部門GoToフィナンシャルがぶら下がる形だ。非上場企業の企業評価額でインドネシア1位だったゴジェックと、同2位だったトコペディアが合併し、インドネシアに巨大IT企業が誕生した。

 発表では、新会社の企業評価額は180億ドル(約2兆700億円)で、インドネシアで過去最大規模の企業統合になる。2020年の総取引額は約220億ドル(約2兆5300億円)に達した。これはインドネシアの国内総生産(GDP)の約2%に相当する。

トコペディアとゴジェックは合併し、「GoToグループ」となった(写真:Adansijav Official/shutterstock.com)
トコペディアとゴジェックは合併し、「GoToグループ」となった(写真:Adansijav Official/shutterstock.com)
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時価総額3兆円で株式上場

 GoToは2022年3月15日、インドネシア証券取引所に上場すると発表した。新株を発行し、同社株式の4.35%を公開する。売り出し価格は1株当たり316~346ルピア。調達金額は最大18兆ルピア(約1440億円)となり、時価総額は約3兆円となる。

 最終的に売り出し価格は1株当たり338ルピアに設定され、4月11日、インドネシア証券取引所で取引が始まった。取引初日は一時、売り出し価格より21%高い1株412ルピアまで値を上げ、終値は13%高い382ルピアだった。

 3月15日に公開された目論見書によると、GoToの2020年の連結売上高は8兆4159億ルピア(約670億円)、包括損失は16兆6216億ルピア(約1330億円)だった。一足先に上場した同業のグラブの業績開示などから類推して業界関係者が大方予想していた通りではあるが、売上高の2倍近い赤字が出ている厳しい状況が明らかになった。この数字を見れば、ゴジェックが2019年に不採算と見られた事業の縮小に動いた(連載第2回参照)のもうなずける。

 起業から10年超で名実ともにインドネシア最大級の価値を持つ企業に成長したGoTo。目先の利益よりも成長を重視した経営を続けてきたが、今後は上場企業として、四半期ごとに業績を開示する義務が生じる。成長と収益化とのバランスをいかに取るか、その答えはまだ見えていない。GoToにとって上場は1つの通過点に過ぎず、彼らの航海はまだ始まったばかりだ。

日経BOOKプラス 2022年6月10日付の記事を転載]

急成長企業が東南アジアで続々誕生!

東南アジアで有望なスタートアップが続々誕生している。特にグラブ、シー、GoTo(ゴジェックとトコペディアが統合)の3強は巨大で、世界中の大企業やファンドが出資や提携を求めて殺到。現地駐在経験が豊富な日経新聞記者が、大躍進の秘密を解き明かす。

中野貴司、鈴木淳著/日本経済新聞出版/990円(税込み)

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ウェビナー開催 経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機

 日本企業にとって、脱炭素政策への対応が重要な経営課題になっています。上場企業であれば、グローバル投資家からの支持を得るために脱炭素に資するビジネスモデルの構築が求められています。サプライチェーン全体で仕組みを整える必要があり、企業規模の大小にかかわらず対応が急務です。
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■開催日:2022年9月8日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機
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