コロナ禍で、マスク市場はどれくらい?

【問題】コロナ禍において、1年間のマスクの市場規模はいくらになったでしょうか? 10秒で考えて下さい

 この問題はそれほど難易度が高くなかったかもしれませんが、企業研修等で社会人に投げかけても、決して「誰でもすぐに答えが出てくる」というほど簡単というわけでもありません。答えは、ネットなどで確認して下さい。

 このような問題は、自分の会社の製品やサービスといった、むしろ知識が豊富な領域ほど難しくなるという皮肉な結果になります。特に日々の業務に忙殺されていると、「要するに自分の製品やサービスは、何人のお客様にいくらで売れていて、年間の売上はいくらなのか?」といった、ある意味で基本的な数字を見失ってしまうものです。

 このような「結局1人あたりいくらなの?」という発想は、ビジネスにおいては「顧客への付加価値を考える」という視点の醸成にも役立ちます。

 ビジネスの現場に埋没していると、ついつい個別具体に目を奪われて全体像を見失うことがありますが、時にこのように思いっきり上空からシンプルにものごとを見てみることも重要です。

 先にお話ししたように、この問題は「10秒で考える」ところがポイントです。短時間で何ケタなのか? を考えるトレーニングだと思って下さい。このような感覚が必要なのは、「ビジネスセンス」につながるからです。経営感覚と言ってもよいでしょう。つまり、このような感覚を持っているかどうかが経営者と一般社員の違いと言ってもよいでしょう。

 もちろん「自分は『一般社員』で、Excelの表の数字を日々計算するのが仕事だから、こういうセンスは必要ない」と思う人もいるでしょう。それでも、ざっくりと全体像をつかむ感覚を持っていれば、経営者や、さまざまな関係者と話をするときに間違いなく役に立ちます。さらには抽象化のトレーニングにもなります。

日経BOOKプラス 2022年8月2日付の記事を転載]

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