自分で考えず、言われたままに対応する「具体病」の人は、近い将来AIに取って代わられる。具体性に欠け抽象論ばかりの「抽象病」は話が深まらない。では、依頼主や顧客の真のニーズをつかみ、価値の高い仕事ができるようになるには、どうすればよいのか。新入社員からマネジャーまで、すべてのビジネスパーソンに役立つ内容を『ビジネス思考力を鍛える クイズで特訓50問 (日経文庫)』 から一部を抜粋してお届けする。

5つの発言、どこに問題が?

 次の①~⑤は、具体病と抽象病どちらか?

【問題】
次の①~⑤の発言は、
A:具体のみで抽象の視点が欠けている(具体病)
B:抽象のみで具体の視点が欠けている(抽象病)
のどちらかを判断し、どのようにすれば改善できるかを考えて下さい。


①「お客様に『少し値段が高いですね』と言われて5%の値引きをした」
②(初対面の30人への自己紹介の場で)「私の趣味は映画鑑賞です」
③「先週は大変貴重なお話をありがとうございました」
④「うちの業界は特殊だから、他の業界の成功例は参考にならない」
⑤「新しい技術を導入するには、先行している同業他社の事例が必須である」
「なぜ?」と問い、抽象化することで、顧客の真のニーズをつかめるようになる(写真:shutterstock)
「なぜ?」と問い、抽象化することで、顧客の真のニーズをつかめるようになる(写真:shutterstock)
[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 具体と抽象のバランスを考える