創業時の魂を継承し、創業家だからこそできる変革に挑んできた安藤家の経営者たち。ただし、会社はトップだけでは回らない。トップの意思をいかに組織に反映していくかがカギになる。

 変革を続ける日清食品ホールディングス(HD)と安藤家の経営者たちの姿に迫る本連載。第3回となる今回は、独創的な商品や宣伝を生み出す場になっている定例会議の実態を解き明かす。日清食品本社の会議室で何が起きているのか、社員全員が参加・見学できるようにしたのはなぜか。定例会議の一つ「マーケティング会議」に記者が潜り込んだ。

■連載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)産声上げた「もう一つの日清食品をつくる」事業
(2)日清食品・安藤家の系譜 しつこく挑む「七転び八起き」の教え
(3)社長の頭の中を見せる 日清食品の「マーケティング会議」に潜入(今回)
(4)公募で経営人材を育てる 「ミニ社長」に託すベンチャー精神
(5)私が「カップヌードルをぶっ潰す」と言ったわけ 安藤宏基氏の信念
(6)盟友・佐藤可士和が語る 安藤徳隆氏の真の顔
(7)300年続く企業になるための挑戦 安藤徳隆氏が見る未来

毎週開催するマーケティング会議では、商品の味やパッケージデザインの案について安藤徳隆氏が矢継ぎ早に判断していく(写真:北山 宏一)
毎週開催するマーケティング会議では、商品の味やパッケージデザインの案について安藤徳隆氏が矢継ぎ早に判断していく(写真:北山 宏一)

 熱気と笑いであふれた会議室を時折、数秒の静寂が包み込む。射抜くように商品を見つめる安藤徳隆氏(日清食品HD副社長・COO(最高執行責任者)、日清食品社長)の目は真剣だ。その表情を20人ほどの社員が見つめる。パソコンのモニターを通じて見学している社員を含めれば、80人近くがこの会議に参加していた。

 この日、記者がいたのは日清食品HDの東京本社にある会議室。許可を得て、日清食品が毎週開催している定例の「マーケティング会議」に潜り込んだ。新発売する商品の味やパッケージ、販促用ポップなどを担当者が次々と持ち込み、その合否や改善案を社長の徳隆氏が五感と思考で判断していく場だ。

 記者の目の前には3つの新しい「カップヌードル」のパッケージが並んでいた。ほぼデザインが決定しており、最終段階の調整として数mm単位でロゴの大きさを変えているという。ぱっと見ただけでは分からないほど微妙な違いだ。

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