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原材料価格の上昇があらゆる製品のメーカーの採算を悪化させている。メーカーは雪崩を打つように値上げに踏み切り、家計に負担がのしかかる。それでも賃金は上がらない「悪い物価上昇」が日本経済をむしばむ。

大王製紙はエリエールブランドの家庭用紙製品を今春から15%以上値上げした
大王製紙はエリエールブランドの家庭用紙製品を今春から15%以上値上げした

 「原材料や燃料価格の上昇に囲まれて逃げ場がない」「コスト増は自助努力分をはるかに上回る」。沈痛な声で語るのは、大王製紙のホーム&パーソナルケア国内事業部の担当者である。同社は3月22日出荷分からエリエールブランドのトイレットペーパー、ティッシュペーパーなど家庭紙全品の価格を15%以上引き上げた。

 原料のパルプ材や石炭やガスなどの燃料価格が上昇。円安による輸入コストの上昇が追い打ちとなり採算を悪化させた。価格改定を公表したのは今年1月で、ロシアがウクライナに侵攻する1カ月以上も前だった。そのため、「この数カ月で事業環境がかなり変わり、値上げ幅は十分でなくなってしまった」と打ち明ける。

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この記事はシリーズ「絶望物価、負のスパイラルへ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。