気候変動も話題となり、災害など予測不能なリスクに備えるべき現代。これらの理由で突然、失業やボーナス減などの憂き目にあったり、家を失ったりして、経済的な打撃を受ける可能性は誰にでもあります。万が一のことがあっても家計を破綻させず生活を守るには、日ごろどのような備えが必要でしょうか? 『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)より抜粋のうえ紹介します。

高収入なのにすぐ破綻する家計の特徴

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの人が失業や残業代・ボーナスカット、収入減少など、これまで予想もしなかった状況に陥りました。

 感染症だけではなく、火事や地震、台風などによって住まいや職を失い、経済的に困窮する可能性は、いつもどこでも、誰にでもあります。

 不測の事態に弱い家計といえば、非正規労働で収入が少なく、公的保障が薄い。貯蓄がない。ひとり親家庭などでマンパワーがない。収入が年金のみの高齢者シングル、といったご家庭が思い浮かぶのではないでしょうか。

 しかし、それだけではありません。比較的高収入を得ている世帯でもお金の使い方次第で家計は厳しくなる可能性があります。

 とくに、注意が必要なのは、住宅ローンや教育費など「固定支出」の負担が大きな家庭です。

 食費のような毎月変動する「変動支出」は収入にあわせて調整できます。でも、住宅ローンや家賃、子どもの塾代や教育費、生命保険料など「固定支出」は、毎月一定額が必要で、しかも万が一の場合も見直しが難しいのが特徴です。

固定支出の負担が大きい家は要注意

 例えば、夫婦と中高生の子ども世帯の場合、世帯月収が40万円であれば、住居費は10万円以内が適正範囲です。

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