1回目・2回目で十分な貯蓄ができなかった人にとって、子どもが大学を卒業してから、リタイアするまでが最後のチャンスです。

 それなのに、子どもにお金をかけ過ぎてしまい、定年を迎えてから老後資金が足りなくなり、就職した子どもに資金援助をしてもらうような羽目になっては「子どものため」の投資も本末転倒です。

『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)より
『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞出版)より
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人気エリアに住む前に、必ずすべきこと

 また、高収入家庭に見られがちなのが、教育と住宅、双方にお金をかけすぎてしまうこと。子どもに良い環境を与えたいと地価の高い地域に住み、そこに住む教育熱心な人たちにさらに刺激されて、ますます教育費をかけるようになる、というケースです。私立受験が当然の地域であれば、周囲との比較で過熱してしまう側面もあるのでしょう。

 しかし、このような状況になる前に、「住宅ローンを返済しながら、子どもを私立に進学させることができるか。そして十分な老後資金を残せるか」を、冷静に試算してみることが大事です。

 試算の結果、教育費と住居費をかけながら十分な老後資金の貯蓄ができるということがわかれば問題ないですが、もし少しでも不安が生じるなら、「教育にはお金を惜しまないが、購入する住宅のランクを下げる」など、バランスをとる必要があるのです。

 人生における三大資金は「住宅資金」「教育資金」「老後資金」の3つ。それぞれのライフステージでは、複数の資金ニーズの優先順位やバランスをとりながら、個々の裁量でどれだけ「かける」かよく考えてみることが大切です。

(写真:Pixel-Shot/Shutterstock.com)
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日経BOOKプラス 2022年5月17日付の記事を転載]

“貯まる”行動原理のキホンをFPが教えます

「玄関先にビニール傘」「カードを3枚持ち歩く」はなぜキケンなのか? イヌ派はネコ派よりもお金が貯まりにくい? 貯蓄と関係がなさそうでありそうな「日々の行動」と「貯蓄の効率性」の相関性について、FPが読み解きます。

黒田尚子(著)、日本経済新聞出版、1540円(税込)
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