優秀な人材は、どうすれば集められるのか?

安田氏:最後にもう1つ、お話ししたいのは、日本企業はいかに経済学の学知を血肉としていけるか、についてです。

 今の日本企業に共通する問題意識として、よほど高いオファーを出さないと優秀な人材を確保できない、せっかく育てた新人が数年で辞めてしまう、人材の入れ替わりが激しくてノウハウが蓄積されない……といった人材確保の難しさがあると思います。

 だけど人は辞めても、学知によって構築された仕組みは残ります。例えば基礎的なプログラムのコーディングなど、仕組みの土台をつくる段階では属人的な部分が生じますが、データを基に半ば機械的にアップデートできるような仕組みを確立してしまえば、あとは人が入れ替わろうと運用していけますよね。

星野氏:世の中は常に変化しているので、一度つくった仕組みがずっとそのまま使えるかといったらそうではなくて、やはり改善し続けるというのは必要ですけどね。

安田氏:それでも学知は遺産となるものなので、人材流出で悩んでいる企業や、なかなか従来のように人を雇えない企業が仕組みづくりに目を向けて、そのために学知にコストをかけるというのは正しい意思決定ではないかと思うんですよね。

星野氏:確かに、それはそうですね。

安田氏:かといって社員にいきなり経済学を勉強させようとするのはハードルが高いですし、学知を身につけるだけ身につけて人材としてのバリューが上がったところで、外資系に転職されてしまうリスクもあります。

星野氏:あちこちの日本企業で起こっていることですね。

安田氏:だから社員に経済学を学ばせるよりも、そこはやはり、経済学をはじめとした専門家に学知に基づいたコンサルティングをしてもらうとか、コンサルティングまでいかなくても簡単な相談をするという発想を持つと、人材確保が難しいというピンチをチャンスに変えられると思います。

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