多様な分野に人材を輩出している点も、伊藤忠商事の特徴の1つだ。人を育て続けるために何が必要か。現在は伊藤忠を飛び出し、企業トップとなった川口典孝コミックス・ウェーブ・フィルム社長、浅田慎二One Capital共同創業者・CEO(最高経営責任者)、岡田英之リブルー創業者・CEOの3人に聞いた。
■連載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)伊藤忠の下克上、負け癖払拭した岡藤流「逆張り×統率」
(2)伊藤忠、知られざる「デジタル群戦略」 ライバルはアクセンチュア
(3)「コツコツ型」伊藤忠、資源依存の三菱・三井 財務で見る商社3強
(4)伊藤忠、日立建機出資の舞台裏 なるか「総合」の再定義
(5)伊藤忠・岡藤会長の危機感「問題は慢心。大木も芯から腐る」
(6)「5年で辞めるつもりで、オオカミになれ」 伊藤忠社員へのエール(今回)
(7)「安定成長こそ強さ」鉢村CFOインタビュー

伊藤忠商事OBの皆さん、お集まりいただきありがとうございます。まず、伊藤忠での経験が今の仕事にどう生きているかを教えてもらえますか。
浅田慎二 One Capital 共同創業者・CEO(以下、浅田氏):財務のトレーニングから始まり、シリコンバレー駐在時代は米国のスタートアップへの投資などを行いました。帰国後はメルカリなどへの投資を担当しました。こうした経験は創業したベンチャーキャピタルの仕事に大きく役立っています。
川口典孝 コミックス・ウェーブ・フィルム社長(以下、川口氏):僕も2年間、経理部門に配属されました。宇宙・情報部門を希望していたので最初はふてくされていたんですが、現在身を置くエンタメ業界では決算書を読める人材は珍しくて、とても役に立ちました。
岡田英之 リブルー創業者・CEO(以下、岡田氏):私も最初の2年は予実管理を担当し、その後、当時子会社だったエキサイトに出向してスマートフォン向けサービスの開発に従事していました。苦行的なところもありましたが、決算書の基礎が身に付き、契約書もスクラッチで書こうと思えば書ける。最初に決算業務を担当させるのは、ビジネスの仕組みやどうお金が流れているかを学ばせる目的だと思います。
「プロ」であり続けたいから伊藤忠を辞めた
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