消費分野で強みを磨いてきた伊藤忠商事が、日立建機への巨額出資を決めた。蓄電池やファミリーマートなど、現場があればそこには新たなニーズ、そして成長の種がある。多様な事業を抱えるだけでなく、デジタルで貫く「総合」へ。商社の価値を再定義できるか。

■連載予定
(1)伊藤忠の下克上、負け癖払拭した岡藤流「逆張り×統率」
(2)伊藤忠、知られざる「デジタル群戦略」 ライバルはアクセンチュア
(3)「コツコツ型」伊藤忠、資源依存の三菱・三井 財務で見る商社3強
(4)日立建機出資の舞台裏 なるか「総合」の再定義(今回)
(5)岡藤会長インタビュー「慢心すれば、一瞬で落ちる」
(6)「経営者が育つオオカミの集団であれ」OB座談会
(7)「安定成長こそ強さ」鉢村CFOインタビュー

 「心強いパートナーがサポートしてくれる」。日立建機の平野耕太郎社長兼CEO(最高経営責任者)は1月14日の説明会でこう強調した。

日本産業パートナーズと共同で約1800億円を日立建機に投じる。伊藤忠商事は北米での販売や物流を支援する
日本産業パートナーズと共同で約1800億円を日立建機に投じる。伊藤忠商事は北米での販売や物流を支援する

 伊藤忠商事と投資ファンドの日本産業パートナーズは、日立建機に計約1800億円を折半出資して26%の株式を取得する。日立建機が成長の要と位置づける北米市場で、伊藤忠は主に販売金融と物流で支える。

CITIC以来の議論

 生活消費分野での強さを発揮する伊藤忠にとって、重厚長大分野での多額出資は異例だ。鉢村剛CFO(最高財務責任者)は「投融資の検討段階で、一度差し戻された」と明かす。

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