松浦:何度思い出してもいい、うーん。

自分のすごくすてきな記憶。

松浦:すてきな記憶。

思い出すならこれがいい、みたいな。言っておくと何かフックになるかもしれないですよ。

目の前でロケットが爆発した

松浦:どうだろう。たぶん一番ショッキングなのは目の前ででっかいロケットが爆発しちゃったというやつだと思うけど。

それはまさかチャレンジャーの事故ですか?(1986年1月28日、米国のスペースシャトル「チャレンジャー」が打ち上げから73秒後に分解・爆発し7人が死亡)

松浦:じゃなくて、「アリアン5」という欧州のロケットの1号機。南米まで取材で行って、目の前をロケットがだーっと上がっていったら、40秒ほどで姿勢を崩してどかーん、と(1996年6月4日、フランス領南米ギアナ。なお人は乗っていない)。

それがきっと何度も何度もフィードバックするんですね。

松浦:ちょっと嫌だな(笑)。

川内:職員としても、何度もその話を松浦さんから聞くということになるんですね。

松浦:そんな自慢話する自分ってのも嫌だな。

「俺はアリアン5の爆発を見た」とか言って。なかなか面白そうですよね。

川内:そうですね。ご本人はさておいて、私がもしそれを介護職として聞けるんだったら、すごくありがたいですね。

岡崎:スタッフ側は興味津々ですよね。

川内:うん。すごいなと思いますね。なるほど。

そうか。いいなそれ、何かちょっとうらやましいな。ロケットの打ち上げそのものが絵面が良さそうだし、記憶に残ったらうれしいかも。見に行こうかな。

松浦:スペースXが出てきて以来、毎週打ち上げとか、毎日、3日連続打ち上げとかあいつらはやるもんだから、打ち上げは全然特別なものじゃなくなったんだよね。

そうなんですか。

松浦:しかもウェブ中継するじゃない。部屋に居ながらにして全部見られるという。時代は変わりましたよ。

映画を見た記憶が記憶としてよみがえってくるようなことってあるんですか。

川内:あります。

あるんだ。

川内:でもやっぱりその方の何か本当に印象に残っているものというのが強く出てくるようですね。すごくいい感情のときのものも残っていれば、悪い感情のところも残っている。

恋人に振られたときみたいなのがよみがえったりするのかな。

川内:ただ、怒りや悲しみの記憶も考え方だと思いますよ。松浦さんのお母様がお怒りになっていることが多いというのも、それで発散できているのがとても大事だなと。自分の中だけで閉じ込めなきゃいけないのが一番ご本人にとってはつらいはずです。

怒りなら怒りでアウトプットできていれば。

川内:聞いている方は大変ですけど、でも決して悪くないなと思いましたね。

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