「松浦君、本が好きなんだ」不適合を救ってくれた先生

松浦:「松浦君、本が好きなんだ、こんな本もあるよ、面白いよ」と、子ども向けの科学の本をくれたんですよね。先生の息子さんが読んだお古だったそうですけど。で、「あなたはとても良い子だから、これをあげます。でも授業の時にこの本は読まないで、ちゃんと先生のお話を聞いてね」と。

川内:すごい。

松浦少年は「真面目に授業を受けてこいつの顔を立ててやろう」と思ったらしいですよ。

川内:いいじゃないですか。

いい話ですよね。

松浦:考えてみれば高校出るまではやっていたな。4月に全部教科書を読んじゃおうというのは。

川内:えー。

やっぱり嫌なガキ(笑)。

松浦:だって教科書も本なわけで、本は好きで目の前にあったら読むものだったから。1日で読めちゃうから読んだだけ。それで本当につまらない授業だったら寝ちゃうんだよ。

本当に寝ていたんですね。嫌がらせじゃなくて。

松浦:嫌がらせじゃなくて、俺に関係ないと思ったら寝ちゃう。

川内:そうなりますよね。

それでもできる方だったんですか。

松浦:あとで、お前は寝ているのに当てたら答えるからどうしようもないと言われて。

岡崎:すごい。

川内:それはすごいですよ。

嫌なガキだなあ。川内さんはもう最初から先生に当てられないでしょう。

川内:はい。だって、途中で帰るんだもん。

当てたくてもいないんだもん、と。

松浦:うん。たぶん不適合という意味では川内さんも僕も同じだったんじゃないですか。川内さんは学校から抜け出せば快適だったんでしょうし、僕は図書室にいればご機嫌な子どもでしたから。

川内:いや、脱走と図書室ではだいぶ違うんじゃないでしょうか(笑)。

松浦:とはいえ、大学に入ったらさすがに大学の教科書は1日で読めない、というところで挫折するんですよ。自分よりも頭の良い奴が一杯いて、初めて自分のバカさ加減に気がつく。で、逃げた先がバイクとプラモデルと同人誌作り……なんですが、本題と関係ないので割愛ということで(笑)。

(つづきます)

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