週に1回の医師の回診や、同じく週一の歯科による歯科診断と口腔(こうくう)清掃の支払いも、ここから行われる。

 母の場合は、3万円単位で預けて、足りなくなるとホームから連絡が来るので、面会に合わせて私がまた3万円を持っていくようにしている。預け金からの支出は月によって変動するが、だいたい1カ月1万円から2万円の間だ。服をまとめて買ったときには、この支出が一時的に増える。

 医師の診断によっては薬が処方される。医薬分業なので薬は薬局から買うことになる。グループホームは特定の薬局と契約していて、処方通りの薬が届けられる仕組みになっている。代金は口座引き落としだ。処方される薬は母の状態によって変化するので、支払いは多いときも少ないときもあった。多いときで月4000円、少ないときで2000円程度である。

 加えて、母の場合は入居の途中から床ずれが出来かけたので、レンタル業者から褥瘡(じょくそう)予防マットレスを借りた。これは「体圧分散用具」というカテゴリーに入る医療用品で、レンタル料が月に9000円と少々お高い。母の健康のために必要な経費だと考えて、導入を決断した。

 これは自宅介護で介護保険が使えると、もっと安く借りることができる。しかしグループホームに入居していると、「すべての介護サービスがホームから包括的に提供されている状態」と見なされるので、福祉用具レンタルは介護保険対象外となる。9000円というのは、全額自己負担の場合の額である。

 これらで、だいたい1カ月あたり20万~22万円程度の支出が発生するわけである。

月に3万~5万円の不足が出る

 支払いにあてるための収入はどうか。母は2種類の年金を受け取っている。母自身が加入している国民年金と、亡父が加入していた厚生年金の配偶者分である。母はずっと専業主婦だったので、婚姻期間中は一貫して父の被扶養者であった。結果、夫婦で受け取っていた厚生年金のおよそ4割を今も受け取っている。年金も高齢者医療制度などで天引きされ、まるまる受け取れるわけではないが、2カ月に1回の支給日に、2つの年金を合わせておおよそ35万円が振り込まれる。

 1カ月20万~22万円の支出と2カ月に35万円の年金。つまり1カ月に3万~5万円の不足が生じることになる。

 ここで我々子どもたちの出番となる。母をグループホームに入居させた当初、我々3人は1カ月に1人1万5000円を負担するという約束をした。3人で月に4万5000円だ。実は2017年の入居当初は、褥瘡予防マットレスのレンタルがなかったりしたので、もう少し経費は安かった。1万5000円というのは赤字を出さず、少しずつでも積み立てが可能な額として設定したものだ。その後支出が増えたが、弟が「俺が1.5倍出す」といって月2万2500円払ってくれるようになったので、今は兄弟で、月5万2500円を充当している。

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