自社が新規事業に取り組む上で、どのようなテーマや領域で、どのような事業を検討するかを定義したら、経営のトップマネジメントと実際に事業を推進するミドルマネジメントおよび現場のメンバーの間で、「それぞれの領域や事業で、いつまでに、どの程度の規模を狙うのか」について目線を合わせます。

 狙うテーマや領域、事業内容によって成果が出るまでの時間軸が異なるため、事前に目線や期待値の認識を合わせておかないと双方にズレが生じる恐れがあるためです。このズレが生じると、ビジョン達成の算段が立たなくなってしまったり、「思ったより時間がかかっているから」と可能性のある事業の芽が潰されたり、撤退を余儀なくされたりすることが頻発します。

 また、より注力して投資すべき事業に対して十分な時間と予算が与えられず、大きな機会損失を生むこともあります。このような事態を避けるためにも、あらかじめおのおのの領域や事業における時間軸と規模の目線や期待値を合わせるために、期限や規模については具体的に数値化しておく必要があります。もちろん、予測が難しくそのとおりにならないことも多いのが新規事業ではありますが、一度目安を決めた上で事業を推進しながら最適化していく姿勢を持つことが重要です。

誰が、どのように新規事業開発を行うかのアプローチを検討する

 次のステップでは、事業開発の主体やアプローチを選定します。これは、これまでに述べた「目的/意義」と「目線/定義」の軸によって、主に6つのパターンに分類できます。

  1. ボトムアップ型新規事業開発
  2. トップダウン型新規事業開発/カーブアウトなど
  3. 新規事業創出プログラム/社内ベンチャー制度/社内ビジネスコンテストなど
  4. M&A/マジョリティー投資など
  5. マイノリティー投資/CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)やJV/提携など
  6. アクセラレーションプログラム/ピッチイベント/ハッカソン・アイデアソンなど

 これをマトリクスで配置すると、次の図表のようになります。